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2021年3月 1日 (月)

日本的な豊かな貧しさが世界を救う。様々な脚フェチ考。令和3年3月1日

「"日本はすごい"の番組や動画が人気があるのは、日本が貧乏になって自信を無くしたからだ」といった記事を目にする。日本の平均収入が増えず、物価上昇がないことは事実だ。その一つの理由は、企業が働かない熟年を抱えすぎて、生産性があがらないのが原因だ。
しかし「日本は貧乏」の書き手たちが「日本はすごい」の番組をきちんと見ているとは思えない。確かに「日本はすごい」の題名の付け方はあざとく品がない。だが、自画自賛のコメントをスルーすれば、紹介されている事例は楽しめる。気がつかない国民性や、日本独自の伝統技術、優れ工業製品などが、丁寧に紹介されていて面白い。
対して「日本は貧乏だ」の類は自虐的だ。ただ闇雲に、現政府を転覆させることだけが目的に思える。
日本批判記事の書き手たちは「インバウンドが増えたのは物価が安いから」だとも主張している。これもまた一面的で荒っぽい指摘だ。日本観光の魅力は、美しい自然や文化、美味しい料理、魅力的な国民性など多様で、物価の安さへの魅力は小さな要素にすぎない。むしろ、大食に慣れた海外観光客の多くは、食品量に対する料金を計算して、日本の物価が安いとは思っていない。

更に彼らは、技能実習生たちが「日本は貧乏で仕事先として魅力がない」と軽蔑していると言う。これも奇妙な話だ。もし彼らが、本当にそう思っているなら、来日するはずがない。彼らは強制されて日本に来たわけではなく、日本の情報を知った上で自由意志で来日している。日本で稼げないなら、さっさと帰国するか、他国へ転出するはずだ。
技能実習生は、日本の老人や母子家庭などの弱者たちの仕事を奪っている側面がある。日本が稼げない貧乏国なら、さっさと帰国して、日本の貧困層を助けてほしい。そうすれば、労働コストが上がって若干のインフレが起きる。貧困層の収入は消費に回るので、国のインフレ政策に合致し、景気浮上に役立つ。

私の住む赤羽には、大量のアジア系の外国人が住んでいる。病院でも、彼らが呼び寄せ家族保険を使って診察を受けている家族たちを近年見かけるようになった。豊かさは金銭だけで得られるものではない。彼らが日本に滞在し働き続けている理由は単純ではない。今回のコロナ禍では、世界トップクラスに、自粛に対する高額な保証金や持続化給付金が支払われた。それで稼いだ外国人も多くいる。彼らが言うように、日本が本当に貧乏なら、そのような大盤振る舞いができるはずがない。

貧乏な私でも、日本批判の書き手たちが言うように「日本より豊かな中国や米国などの海外で暮らしたい」とは絶対に思わない。それは、病気になっても安心して医療が受けられること。万一無収入になっても生活保護などのセーフティネットが機能していること。以上二つの理由によるものだ。仮に中国や米国で病気になったら、地獄に転落することになる。中国や米国ではかなり豊かな階層でも、病気になったらたちまち高額医療負担で破産してしまう。それに対して、日本ではどんな貧乏人でも、金持ちと同じ上質な治療を受けることができる。医療費で破産などあり得ないことだ。

日本人の平均収入が減った主な原因は少子高齢化にある。経済学者によると、大量の働かない熟年社員が、一人当たりの生産性を減らしている。コロナ禍でリモートワークに変わって以来、そのような無能な熟年が大量に洗い出された。もし生産性のない社内の熟年層を情け容赦なくリストラすれば、日本の生産性は飛躍的に増える。

以前、上海で稼いでいる日本人が次のような記事を書いていた。
「日本では、いたるところで小柄で貧相な老人たちが働いていてみっともない。しかし、中国の老人たちは豊かで、孫の子守をしながらのんびり暮らしている」
この指摘には大きな勘違いがある。日本の老人の年金や資産は豊かな中国沿岸部住人たちの6倍以上はある。老いても働き続ける理由は健康年齢を伸ばすためだ。老人医学の専門家たちも「老人は働き続けることで、健康年齢を長く保てる」と言っている。老後を子守をして過ごすなど、日本の老人たちには地獄みたいな生活だ。

日本人の貧しさに対する考え方は、侘び寂びの伝統文化の影響がとても大きい。日本人の考えている豊かさと、海外の豊かさの概念は大きく違う。海外の豊かさは、金ピカな大きな家に住み大型車に乗って、大量の食物を食い、大量消費することだ。
日本では茶道文化などを見ればわかるように、質素さの中に豊かさを見出して来た。地球の未来を考えた時、どちらが人類にとって正しいか、考えるまでもない。もし、世界が大量消費の海外型の豊かさを目標にしたら、地球は一瞬で死の惑星になってしまう。
"日本の貧しさ"は心の豊かさを目指すもので、海外が考えている貧困とは異質のものだ。明治初期に来日した西洋人たちの旅行記に「日本は物質的には貧しいが、心の豊かさがあり、最下層の人まで正直で勤勉で笑顔に満ちている」と記録している。そして「これからも西欧的な豊かさに汚染されずに、優れた伝統文化を保ってほしい」と書き添えている。

投機筋のお先棒を担がされた"グレた少女"などに尻を叩かれなくても、世界が日本の伝統的な質素な豊かさを目指せば、温暖化は瞬時で防ぐことができる。しかし現状は、大型店へ行けば、数年でゴミになるような、隣国で作られた安価な家具や工業製品にあふれている。高価だが、長く使い続けることができる国産製品は風前の灯火だ。

平成初期まで続いたバブル時代に異常な豊かさを経験した。その時代を経て、日本人の多くは物質的な豊かさの誤りを学んだ。
先日の総理府の発表に、86%が現在の暮らしに満足している、とあった。
日本が改めるべきは、収入減に苦しんでいる母子家庭などを支えるセーフティネットの充実であり、狂乱物価のバブル再来ではない。

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「布団の仕立て直しをしている知人女性」
喫茶店で昔の記憶を描いた。
もし彼女が水着かスポーツウエアでこのポーズをしても色気は感じない。
しかし、何でもない普通の服装で、このポーズをされると異常に魅力的だ。
更に着物姿だと、ふくらはぎが少し見えただけで惹かれる。
それはとても不思議な感覚だ。

私は脚フェチだが、どんな脚でもいいわけではない。私の感覚には厳格な条件がある。まず適度に脂肪層に覆われていることが必須だ。女性誌などのグラビアにあるような、太ももの根元の隙間から後ろの風景が見えるようなる細い脚には全く魅力を感じない。鍛えられすぎて脂肪層が全くない人体模型のようなアスリートの脚にも魅力を感じない。アスリートでは、現役をやめて2,3年して「すっかり脂肪がついてしまった」と嘆きはじめた頃に魅力を感じる。
西欧人に多い棒のような凹凸のない脚やX脚にも、全く魅力を感じない。

足首から下となると更に好みは厳しい。
絶世の美女でも変形した足を見せられたら嫌になる。
靴が普通になった現代では、私が思い描くような美しい足に出会うことは皆無だ。
だから、素足にサンダル姿が増えるこれからの季節は、あえて女性のつま先を見ないようにしている。
うっかり見てしまうと、毒々しくマニュキュアをした変形した魔女のような足指が見えて、げんなりしてしまう。

昔の芸者さんたちは、爪、足指、足裏の美しさを保つのに大変な努力をしていた。かかとの角質は、まず軽石で荒く落とし、朴の木の炭で仕上げていた。朴炭の断面の維管束は細かなヤスリ状で、水で濡らしてかかとの角質を擦ると、スベスべに美しく仕上がる。そのようなよく手入れされた美しい足に出会ってみたいが、現代では、綺麗な足の持ち主は幼い子供くらいのものだ。
朴炭断面の炭化した維管束は鋭くてきめ細かい。私が彫金の職人をしている頃は、金属の仕上げに使っていた。だから今も朴炭は仕事机の引き出しにしまってある。漆職人も凸凹のある表面を朴炭で平滑に仕上げ、角粉で仕上げる。角粉とは鹿の角を焼いた研磨剤で、これも手元にある。使い方は、手バフと呼んでいる人毛を束ねたブラシに少量つけ、装身具の磨き直しに使っている。

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