昔からあった喫茶店のソーシャルディスタンス・渋谷ルールと赤羽ルールの違い。4秒で硬化する紫外線硬化接着剤。2021年3月9日
8日は大塚の眼科で緑内障の定期検診日。
左目は正常。右目はやや視神経の減衰があるが、異常というほどではない。
母は緑内障で、私くらいの頃から視野の狭窄が起き始めていたようだ。
母がまだ元気な91歳の頃ことだ。赤羽自然観察公園で母の車椅子を押している時、「ノイバラが満開だよ」と教えたが母は気づかなかった。その後、眼科を受診すると視野が欠けていた。すぐに眼圧降下の点眼薬を始めて、視野狭窄の進行は止まった。
母は微細なビーズ細工を95歳になっても一日中続けられるほど、視力は良かった。
その頃、母の眼科診察ついでに私の眼圧を測るとやや高めだった。
それで、発症予防のために私も点眼薬を始めた。
それから15年がすぎた。
目の状態は現状維持で悪化はほとんどない。
今の年齢を考慮すれば、何とか死ぬまで視力は保てそうだ。
いつもなら眼科受診の後、御徒町のアメ横に行くのだが、仕事が残っているので寄り道はやめた。
注文絵の構図が決まらず、様々に試行している。
赤羽駅近くのドトールへ入って、思いついたイメージをスケッチをした。
カウンター席の私左は老人だった。
彼のスマホが鳴ったので見ると、画面の明かりが点滅している。
「これから先、どうすりゃいいんだ・・・」
彼は困惑しながら私を見た。
私はスマホを使ったことがない。
iPadは使っているので、画面表示を見れば何とか操作方法はわかるが、失敗するかもしれない。
少し迷ってから、"分からない"と、困り顔で応えた。
「困った。困った。」
彼はつぶやきながら闇雲に画面をタッチし続け、思い余って電源を切った。
「そんな時、息子は携帯会社に電話して聞いているよ」
様子を眺めていた、彼の左隣のおばあさんが言った。
しかし、その解決方法は喫茶店では無理だ。
結局、老人は浮かない顔で帰って行った。
すぐに、おばあさんも帰り支度を始めた。
時計を見ると午後7時。
緊急自粛のため、7時を過ぎると街から人並みが消える。
7時半になると、ドトール隣のスーパーでは野菜棚を片付け始める。
私も慌ててドトールを出て、明日の食材を買って帰った。
赤羽駅近くに、スターバックス、ケンタキーフライドチキン、ドトールとチェーン店が並んでいる。スターバックス、ケンタキーフライドチキンは若者が多く、女子高生と老人はほとんどいない。しかし、ドトールの客層は女子高生から老人まで多種多様だ。三つの店の共通点は、8,9割が一人客であることだ。だから、渋谷あたりの喫茶店のようなソーシャルディスタンスは昔からない。カウンター席で空いていれば、老若男女、誰でも気にせず着席する。
2018年秋、ハロウインの渋谷に見物に行った。
行きがけの北赤羽駅に、友たちとの待ち合わせらしいアリスの仮装をした15,6歳の少女がいた。
「似合っているかな」と不安げな様子が瑞々しくて、とても可愛かった。
渋谷に着いてから、記憶が鮮明な内にスケッチしておこうと、NHK通りの喫茶店へ入った。
窓際カウンターの10席ほどが一人おきに空いている。
私は躊躇なく、女子大生風客の間の空席に腰掛けた。
すると左右の女の子は思いっきり嫌な顔をした。
私は赤羽ルールに従っただけだ。
70過ぎの爺さんを、ナンパ目的と勘違いしたようだ。
自意識過剰は誰でも通過する、若者の特性でもある。
ハロウインに一人寂しげと、彼女たちは私から見透かされたと誤解したのだろう。
後日、渋谷あたりでは、喫茶店のカウンター席で一人客は一人おきに腰掛けるのが常識だと知った。
お店にとっては効率が悪い、甚だ迷惑な渋谷ルールだ。
その時描いたスケッチ。
赤羽の喫茶店に、渋谷のような馬鹿げたルールはない。
だからカウンター席では、可愛い女子高生でも中年男の間に平気で着席する。
それが赤羽ルールだ。
だが稀に、赤羽に渋谷ルールを持ち込む女性一人客がいる。
先日、着席したカウンター席の右がそんな女性だった。
その日、いつも使っている好きな席が空いていたので、小さく「失礼」と声をかけて腰掛けた。すると、右隣の若い女性は思い切り不愉快そうに顔を背けた。しかし、左隣の綺麗な女性は、平気な顔で資格試験の勉強を続けていた。
右隣の女性は赤羽在ではないようだ。
彼女は不快そうに急いでコーヒーを飲み干して、そそくさと出て行った。
ドトールでは空席をめぐって、様々なことが起きる。
先日、空席を探して満席の店内を一周すると、女性二人連れの両側だけが空席だった。
二人は40代の姪らしき人と60前後の叔母らしき人だ。
姪は延々と、大きな声で身内の悪口を喋っていた。
叔母さんは相槌を打つだけで、ほとんど無口だった。
30分ほど切れ目なく姪の愚痴が続いてから、彼女はトイレにたった。
一人になった叔母さんが小さくため息をついた。
5分ほど過ぎて姪が戻ってきた。
少しおしゃべりが和らぐと期待したが、再度、愚痴が延々と始まった。
その時、彼女たちの両側が空席だった理由が分かった。
みんな、辟易して逃げ出したようだ。
私はそのような騒音対策のために、いつも携帯音楽を聴いているので気にならない。
だからいつものように、カウンターでスケッチを続けた。
先日、紫外線硬化剤セット・ボンデックを3500円ほどで買った。
歯科の治療で小さな虫食いなどを塞ぐ時に使う素材と同じタイプだ。
液体の接着剤に紫外線ライトを照射すると4秒で硬化する。
上が紫外線ライト。
下が接着剤の容器のノズル。
試しに3mmのパラコードの切断面に試した。
パラコードの切断面は、ライターなどの炎で溶かしてほつれないように処理する。
しかし、溶かした面はガサガサしていて、手触りが悪い。
それで、液状の硬化剤で覆って、紫外線を照射して固めた。
この紫外線ライトは小さいが強力で、目に入れると危険だ。それで、99,99%紫外線防止のハヅキルーペをかけて作業した。
硬化した後、マニュキュアを塗布した。
パラコード とはパラシュート用の細引きのことだ。
大変に頑強で、3ミリの太さでも200キロほどの負荷に耐える。
原色のマニュキュア。一本300円と、塗料としては高めだ。
色合いとツヤが美しく丈夫なので、小物の彩色に使っている。
30歳の頃、母のために祖母の遺品のK20の指輪を溶かして作った、三匹の小狐のループタイ。
側面は銀。小判や打ち出の小槌など縁起物の絵柄を肉彫りした。
使っていた絹の組紐が劣化していたので、今回、強靭な3mmのパラコード に取り替えた。
私はループタイは使わない。
しかし、お守り代わりに身につけていると、不思議にお金が入る。
作業の後、部屋の明かりを消して紫外線ライトをつけてみた。
すると、蛍光物質を含む様々なものが青白く光って綺麗だった。
昔、ガールフレンドと芝居に行った時、ブラックライト演出で、笑っている彼女の歯がまだら模様に青白く光った。綺麗な人だったが、少し幻滅した。私は見たことがないが、昔の整形美容では、鼻に挿入するプラスチックがブラックライトに反応して光ったようだ。美人の高い鼻が、暗闇で青白く光ったら相当にショッキングだろう。
蛇足だが、自然界最強の発がん物質、熱帯から亜熱帯地域にかけて生息するカビ、アスペルギルス属が生成するアフラトキシンも紫外線で光る。餅などにカビが生えた時、照射して試そうと思っている。
この絵を描いたのは1年前だ。
それ以前からこの結婚に胡散臭さを感じていた。
昨日今日と、ワイドショーはメーガン妃のインタビューばかりだ。英王室や日本皇室は保守的に伝統を守り続けたから価値がある。インタビュー内容は、英国王室の伝統を断罪していた。こんな番組は英国王室は無視すべきだ。歴史ある存在を現代思想で非難するのは愚かだ。王室に嫁ぐ大変さへの、メーガンの覚悟の無さに驚いてしまう。
近年の米国の言葉狩りは行き過ぎている。
メーガンが、皇室の人たちが赤ん坊の色が白いか浅黒いか気にしたと語ると、有名司会者のオプラ・ウィンフリーの目が"しめた"と狡猾に光った。オプラの期待通り、その放送後にヒラリーなど人権派運動家たちが人種差別だと大騒ぎした。そして、オプラの持ち会社は9億ほど稼いだ。このショーは、世間知らずのヘンリー王子を利用したハリウッド流のメーガン成功物語だ。彼女はこれで主役の座を射止めた。
メーガンの言葉は真偽検証がなされないまま垂れ流されている。見た目を言ったから人種差別だと騒ぎ立てるのは、言論封殺でもある。肌の色は、目の色が青いか茶色いか、太っているか痩せているか、その程度のことだ。肌の色を口にすることを忌避する心にこそ、根深い差別意識がある。人種差別は、現実に差別が起きた後に成立するものだ。素朴に肌の色を語れる世界が訪れてほしい。
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