中国は歴史的な激動を始めた。ひろゆき氏の福島産農水産物への逆張り炎上手法。2021年9月30日

習体制は毛沢東時代の共同富裕を掲げ、体制を大きく軌道修正して激動し始めた。
これまでは極端な貧富の差を生む、全体主義的な資本主義により、驚異的経済発展を遂げてきた。しかし党は、6億人の月収1.2万円の貧困層を放置していては国が崩壊すると危惧したようだ。その手始めに、33兆円もの巨大債務を抱えた不動産の恒大集団の国有化を図る気配だ。それが実行されたら不動産バブルは終焉に向かい、急成長した多くの他企業も国有化されるだろう。

日本マスコミは、恒大集団 の債権の利払いと保全を訴えるデモを庶民たちと報道していたが、彼らは数千万を投資できる裕福な階級で、決して庶民ではない。中国は日本のバブル崩壊を研究尽くしていて、同じ愚は犯さない。だから、恒大集団を助けることなど訳ないが、それを繰り返していたら大変な事態を招く。習主席が最も恐れるのは、6億人の貧困階級を結集させる新たな指導者が現れることだ。

彼は反逆や暗殺を恐れ、安眠できない毎日を過ごしているとの噂がある。以前の彼は背広姿だったが、今は彼一人だけ毛沢東の人民服を愛用している。いざとなって頼れるのは、希代の権力者だった毛沢東の権威だったようだ。ちなみに毛沢東の文化大革命により、彼も家族も大変な辛酸を舐めさせられている。それでも、毛主席に頼るのは、事態が切迫しているからかもしれない。

彼は富裕階級の教育、贅沢、海外への資産移転と隠匿などの特権の抑え込みを始めた。
海外旅行と無制限の外貨持ち出し。それらは絶対にコロナ前には戻らない。日本国内観光業者たちは、中国人客が戻ってくることを期待しているが、それはないだろう。すでに中国消費をあてにして成長し続けていた世界の高級ブランドの株価は、一斉に下落し始めている。

富裕層への締め付けと同時に、言論弾圧も厳しい。
それに関連して、池袋で働く中国人の日本批判がネット上にあった。
当然だが、中国人は母国の監視を恐れ、本音は語れない。

「東京の住宅環境は10年前の中国の古い町並みと同じ感じだ。狭い道に古臭い住宅と店舗が入り交じって侘しい。対して、現代中国の都市風景は近代的だ」

現代中国の近代化に、日本のような衛生環境、澄み切った空気、悪臭のない綺麗なトイレ、どこでも安心して飲める美味い水道水、静けさなどはない。あるのは、不愛想な店員。朝4時から患者を並ばせる拝金主義の病院。呼吸困難なほど汚れた大気。安心して食べられない農薬漬けの食品。耳を塞ぎたくなるほどの住民たちの諍い。クラクションで威しあう車。行列への割り込み。平気で街にゴミや痰を吐き捨てる住民たち。
それが中国近代化の実態だ。

「中国と違い。日本の不動産価格は安定しているので買っても値上がりする見込みがないので残念」

不動産の値上がり分を支払わされるのは、取り残された貧しい中国人民だ。
習政権が共同富裕に転換したのは、6億人の貧しく取り残された国民を味方につけるためだった。

「日本の仕事環境は残業が多く、ストレスが大きい。しかも、人間関係は希薄で、毎日同じ生活の繰り返しで、中国のような人情社会が恋しくなる」

私は東京で60年近く生活しているが、人情味をとても感じている。母の介護をしている頃、東京の人情にどれほど助けられたかわからない。筆者は少し池袋で暮らしただけで本当の姿は知らない。日本人は控えめ遠慮深い。もし、彼が助けを求めたら、多くの日本人が手を差し伸べるだろう。

医療制度は日本の方が圧倒的に優れている。
中国では富裕層でも、大きめの病気をすると高額医療費によって破産する。しかも救急車は有料で高額だ。医師、看護師のモラルも低い。対して日本では、たとえホームレスでも高額高度医療を受けることができる。知り合いの老ホームレスは、生活が大変になると入院して高度医療を受け、のんびり過ごしていた。

「外国人を理由に軽視されるようなことはないが、外国人のまま会社内昇進は難しい」

中国人なら当たり前のことだ。海外の中国人は母国の法律で縛られている。もし、母国から産業スパイを求められたら、協力して情報を盗み、母国へ流す義務がある。
いつ裏切るか分からない中国人を昇進させて、会社の中枢に入れことはありえない。もし、重要技術を持つ会社なら、技術や情報を盗んで母国へ持ち帰り昇進するのが、彼らの出世方法だ。

「中国のようにキャッシュレス化が普及していないので非常に不便」

前回記入したように、日本人には全キャッシュレス化の方が不便だ。

以上のような日本批判は、言論の締め付けが厳しくなった母国の政策が反映しているのだろう。もし、母国の悪口を言ったら、母国の監視網に引っかかって、半永久的に記録され弾圧されるはずだ。

安倍政権の頃、リベラル左翼たちは「安倍政権は言論弾圧している」と世界に発信していた。
その頃、荒川土手の散歩道に「安倍政権をたたき殺せ」とのアジビラが、多数ばらまかれていたことがあった。もし、現行犯で犯人がつかまっても、日本ではせいぜい軽犯罪で、厳しく罰せられることはない。しかし、中国で同じように政権批判のビラを撒いたら、監視カメラ網で数時間以内に犯人は特定され、逮捕されて反逆罪として厳しい罰を受ける。

話は変わる。
ひろゆき氏が「福島産農水産物にフクシマ産を付記するのは、チェルノブイリ産とするのと同じだ。やめたが良い」と発言していた。それに対して「福島を侮辱している」と、地元などが強く抗議した。
これはひろゆき氏流の炎上手法だ。そうやって世間の関心を集め、ネット事業者としての存在感を常に高めている。

彼は世間の批判を集まっている事に逆張りして炎上させ、巧妙に利用してきた。逆張りは、政治家の橋下氏もよくやる手法だ。今話題の小室氏についても二人は「小室氏擁護」の逆張りしている。

二人の違いは、橋下氏は炎上させ、諍いに持ち込む。
ひろゆき氏は、巧妙に言い訳してうやむやにしてしまう。
フクシマ発言に対しても、弁明は用意してあった。
「福島産農作物の売り方としては、戦略的にまちがっている」と言いたかっただけ、と弁明した。
炎上させて注目が集まったら弁明する。それは典型的なネット手法だ。

その功罪を問えば罪が大きい。
なぜなら、強い風評被害を残すからだ。
この発言の結果、除染が進んでいる「フクシマ」と、今も濃く汚染されている「チェルノブイリ」は、世界では同列に記憶されるはずだ。放射能汚染オリンピックだと国を挙げて大キャンペーンを繰り広げた某国など大喜びしそうな発信だった。

ひろゆき氏の問題点は、発言に福島への思いやりを感じなかったことだ。この炎上により、彼の知名度はさらに上がり、利益を得ることになる。彼は日本の若者たちの支持が高い。若者たちはこのような下品な炎上商法を礼賛し、真似をするものが続出している。この手法は、せっかく世界で評価が高まった日本の民度を貶めることになる。

さらにひろゆき氏は「月の生活費は5万円」と発言していた。
それに対してネット民たちは「自分と同じ生活水準だ」と礼賛していた。
この発言は、貧乏人が喜んでいる場合ではない。彼の言う5万円は、数億の収入のうちの微小な埃一粒にも及ばない。月収10万の貧乏ネット民の5万円とは、決定的に違うことを認識すべきだ。

高額所得者たちが贅沢してくれないと、お金が停滞して景気は良くならない。貧乏ネット民の多くが携わっているフリーの仕事などは殊に、金持ちが贅沢してくれることでお金が巡り、仕事が増えて潤う。

以前、安倍首相が1回のゴルフ費用として4,5万を使っていると左翼が猛反発していた。この手の貧乏人のやっかみには理不尽さを感じる。金持ちが落とすゴルフ費用は、キャディなどゴルフ場で働く人、納入業者たちの利益につながり、景気の回復に寄与しているからだ。
金持ちが浪費するのは義務だ。私の生業の絵描きなど、金持ちが浪費してくれないと、まったく成り立たない。

世界の文化は金持ちや権力者が浪費することで発展した。ヨーロッパに残る名城の数々は、当時の支配者が贅沢して作ったものだ。それらはこれからも重要な観光資源になって、潤し続ける。
日本の博物館に残されている華麗な絵画や漆器や衣類なども、当時の金持ちが贅沢してくれたから残されたものだ。

昨日は有明の四季劇場「ライオンキング」の招待日だったので、総裁選が岸田氏に決定したのを見届けるとすぐに家を出た。
京浜東北線の日暮里あたりで、大荷物をいくつも抱えた、太った女性が乗り込んで、私の前に腰掛けた。彼女はすぐにジュースのボトルを開けて美味しそうに飲み干した。身長は普通だが、100キロは軽く超えていそうな体型だ。大量の糖分を摂ったために高血糖スパイクを起こしそうだ、と眺めていると、彼女の目はすぐにトローンとして、まぶたが落ち始めた。
すると彼女は眠気を振り払うように鼻をほじり始めた。
「その汚れた指をどうする」と注視していると、彼女は座席に擦り付けた。
「あー、嫌なもの見ちゃった」と思っていたら、下車予定の新橋を通り過ぎてしまった。
早く家を出たので時間の余裕はある。
浜松町ですぐに乗り換え、新橋でゆりかもめに乗った。

昼間なので、車内は空いていた。
最前列に腰掛け、夕暮れの車窓風景を撮った。
スマホは持たない主義だ。
カメラはソニーのミラーレスαシリーズを使用。
インテリジェンスのある表現において、スマホカメラに対し、一段と優れている。
 

「ライオンキング」は5回目だ。
エネルギッシュで、期待通りの素晴らしい舞台だった。
今回は、今まで見過ごしていた細部を丁寧に鑑賞した。
毎回思っているが、シンバが愛した雌ライオンのナラはどの演者も可愛い。

帰りは、ユリカモメではなく、東京駅行きの四季が用意した臨時バスを利用した。
帰宅は11時近くになった。