パラリンピック閉会式は素晴らしくて、「参ったな」と呟いてしまった。2021年9月6日
自分から言うのは恥ずかしいが、アートの鑑賞に関して目は肥えている。だから、どんなに前評判が良い出し物でも、気に入らなかったら辛口評価してしまう。しかし、今回の2020・パラリンピック閉会式は、色彩、演舞、音と、どれを取っても圧倒的に素晴らしかった。
ショーのテーマは「調和のとれた不協和音」
テーマは自由奔放に、生き生きと一貫して表現されていた。
大予算のオリンピック開閉会式とは段違いの低予算でも、演出によって潜在力を、圧倒的に発揮できることを示していた。
会場に組み上がったダイバーシティに、各国の競技者達が鏡で飾ったスカイツリーは立ち上げられた。
ダイバーシティの建造物は、オリンピックなどの廃棄物を再利用したものだ。
そのカラフルな街で、身障者を含む群衆がエネルギッシュにブレイクダンスを繰り広げた。
高い竹馬を接いだ演者達、障害者を交えた様々な若者達、一輪車の群舞。
どれも危険を伴う。
怪我をしないようにと、ハラハラしながら観ていたが、
若者達は失敗を恐れず、生き生きと演じて、心配は杞憂に終わった。
アートは洗練した新しさより、溢れるようなエネルギーが重要だ。
かって、これほど心を揺り動かされたショーを観たことがない。
もの作りをしている身として、アートの原点を見せつけられた気がした。
外部からの政治的な雑音に邪魔されなければ、日本のアーティスト達は、素晴らしい潜在能力を発揮する。
一層心を打ったのは、コロナ禍の厳しい状況でのイベントだったからだ。
もし、観客が入っていたら、中継カメラはそちらに気が取られただろう。
しかし今回は、最高のカメラワークで中継できた。
空撮の、東京の静かな夜景と輝くスタジアムの対比は、長く心に残るほどに美しいシーンだった。
感動をもたらしたのは、コロナ禍と無観客の困難さに打ち勝った、関係者たちの熱い心意気のお陰だと思っている。
さらに重要な要素は、パラ選手を含む出演者全員がそれぞれに主人公であると、示した演出だった。
ショーの後に、次回フランス・オリンピックの予告出し物があった。
通常なら「モノトーンの出し物はお洒落だ。さすが文化大国」と、社交辞令を並べるところだ。
しかし、日本の若いアーティスト達の奔放な演舞の後で見ると、色あせて見えた。
フランスの整然とした幾何学的な演出は、これまでの日本が得意とする分野だった。
比べて、今回のテーマ「調和のとれた不協和音」は、むしろフランス的で、洒脱で、自由奔放だった。
最後にパラリンピック閉会式を、野外スクリーンを見ていたパリ市民たちの中継があった。
そこにはフランスらしい演出があったが、想定内の普通の感動しか残らなかった。
閉会式は録画してある。
もし気に入らなかったら、録画は消去するつもりでいた。
しかし今は、ゆっくり再生して見たいと思っている。
この様子では、来年に控える中国冬のオリンピックと、3年後のパリ・オリンピックの演出は、日本を超えるのが大変だろう。
付け加えると、小池都知事はモダンなグレー・黒のノースリーブのドレスで、オリンピック旗を舞台で振った。
彼女は、このようなハレの場では自己演出が上手い。
米国エンゼルスの大谷選手は胸がすくような活躍を続けている。
ホームランを打ったり、勝ち投手になったりと、動画を見ることが増えて忙しい。
日本はもちろん、彼ほど米国民を熱狂させた日本人選手は、未だかっていない。
小学館・エルンストシリーズ「おおおとこエルンスト、野球をする」の一場面。
次期総理候補について。
与党の公明党と石破氏と野田聖子氏は、二階氏後継の親中派とされている。
野田聖子氏は配偶者に好ましくない過去がありで、党内支持を集めるのは難しそうだ。
岸田氏は力強さにかけ、情勢次第で親中に転びそうな不安要素がある。
石破氏は、野党支持者と地方に支持が多いが、ムードばかりで、何をやりたいのかわからない。
中国に厳しく対峙してくれそうなのが高市早苗氏と河野氏だ。
高市早苗氏は、初の女性総理候補として新鮮さがある。
経済外交ともに切れ味の良い発言ができて、政策もすばらしい。
弁が立つ彼女なら、菅総理のようにPR不足で自沈することはない。
安倍前総理は高市早苗氏を推しているとの噂があるが、事実なら期待できる。
対して河野氏は、実行力と国民人気があるが、党内基盤が弱い。
蛇足だが、野党で総理候補として名が上がるのは親中派の小沢氏。
その他の有力者たちも親中派ばかり。
共産党は反米なので、敵の敵は味方として中国は支持している。
それは、中国がロシアを支持しているのと同じ構造だ。
尖閣問題について。
中国は急いで尖閣を取りには行かないだろう。
なぜならば、このような紛争では、攻撃より守る方に数倍のコストがかかるからだ。中国は適時、数隻の海警を領海内に進入させるだけで、日本に多大な負担を強いことができる。守る日本の海保は、数倍の艦艇を常駐させなければならず、中国より多大の費用と人員を要する。
この状況を続けることで日本は疲弊し、中国に有利に進むことになる。
狡猾な中国はそれを狙っているはずだ。
中国が本当に欲しがっているのは、日本の基幹技術だ。そのために、日本学術会議や親中派企業や議員を取り込み醸成している。例えば、光触媒でノーベル賞候補の日本人学者・藤嶋昭東京理科大栄誉教授が上海理工大学へ招かれた。これで先端技術を、中国は低コストで手に入れることになる。この背後には日本学術会議の暗躍がありそうだ。
日本には優秀な研究をしているのに、資金不足で研究ができない学者が数多くいる。研究にきちんと予算をつけないと、取り返しのつかないことになりそうだ。
問題が起きた時、問題の事実を起点にして論じないと、誤った結果を生む。
しかし、そのような基本的な誤りを日本マスコミは繰り返している。
例えばコロナ禍報道だ。
ワクチン接種について、管政権は十分なワクチンを用意したにも関わらず、医師会のサボタージュによって実施が遅れた。それに対して、管政権は「協力してくれないのなら、歯科医師に接種をお願いする」と圧力をかけた。医師会は慌てて協力を表明して、今は1日に130万の接種が進んでいる。この分では11月末までに、日本は必要な接種者数を達成できそうだ。
医師会がサボタージュしたのは、コロナに関わることで医院の収益が落ちるからだ。
しかし、以上の経緯を知っている国民はほとんどいない。なぜならマスコミがほとんど報道しないからだ。
街でのインタビューでも「菅総理は無能だ。もっとしっかりしてほしい。コロナにかかっても入院できず、自宅で死を待つだけになる。死ぬくらいなら、経済を止め、ロクッダウンをしてコロナ禍が終わらせてほしい」との意見ばかりを耳にする。
では、誰が政権を担ったら、コロナ禍が抑えられると思っているのだろうか。
今では「独裁政権にして私権を制限し、中国のように強権発動すればいい」と、リベラルなはずのマスコミ人が口にするほどだ。
しかし、海外から見ると、日本は危機に陥っていない。
例えば9月4日の実効再生産数は危険ラインの1を遥かに下回る0.83まで落ちている。
ネットが進化した今、日本マスコミがひた隠すそのような数値は誰でも検索して知ることができる。
表の報道を疑い、自分でネット検索をして事実を知れば、コロナ禍はかなり収まるだろう。
そのようなことを思うのは、古い知人が経営する会社が、コロナ禍によって3億を超える負債を抱え、危機に陥っているからだ。彼は真面目に人一倍多く働き、営々と積み上げて来た全財産を、今、失おうとしている。経済より人命、とマスコミは言うが、コロナがなくても人は死ぬ。
むしろ、去年の死者は、例年より少なかったくらいだ。
マスコミは冷静に、事実を報道してほしいと、心底願っている。
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