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2021年9月 3日 (金)

仏典・観無量寿経で説く人生は飛び続ける鳥のようなもの。着地点を天国と信じる人は幸せ。地獄と思う人は不幸。2021年9月2日

人生の目的は、幸せを感じることにある。
最悪の結果を生む自殺であっても、幸せを求めた結果だ。
成功した人は、健康な長生きを目指す。
人の寿命は125歳あたりが限界とされている。
細胞にはアポトーシスと言われる自死システムが仕込まれていて、一定回数細胞分裂を終えると、その細胞は死滅する。例外はがん細胞で、いつまでも分裂を繰り返し、ガン患者を死に至らせる。

それらのシステムを打破して、不老不死を目指すベンチャー企業に莫大な資金が集まっている。
社会的に成功すると、ほとんどの人は次に不老長寿を渇望する。
死への恐怖は、文明を進化させる原動力となったほどに強いものだ。
だから、不老不死研究が成功したら、莫大な利益を上げられるはずだ。

50歳で死ねば若死にで気の毒だが、100歳で死ぬなら長命で幸せと人は思い込んでいる。
しかし、お釈迦様の視線では、いずれも「50歩100歩」とたいして変わりはない。
だから、不老不死ベンチャーが成功して、人が1000歳の寿命を得ても、死の恐怖に打ち勝てる訳ではない
たとえ寝たっきりでも、死にたくはないと思うのが自然な思考だ。
なぜなら、死は未知で、おどろおどろしい恐怖の世界だからだ。

お釈迦様は、貧富や社会的地位に関係なく、どんな人でも、死に対して希望を持つことができると説いた。
それを説いた仏典に「観無量寿経」がある。
概要はほぼ分かっているが、全ては残存していない。
「観無量寿経」では「人生は、生まれてからずっと飛び続ける鳥のようなものだ」と説いている。
鳥はいつか疲れて木の枝か地上に着地する。その着地する時が死である。
もし、着地点が暗く苦痛に満ちた地獄なら、人は着地=死を恐れながら飛び続けることになる。しかし、着地点が幸せに満ちた天国なら、鳥は着地=死を恐れずに飛び続け、飛べなくなったら、希望を持って着地できる。だから、天国を信じることができる人は、幸せな人生を送ることができる。

人生は選択の連続だ。
「これは正しい。それは間違っている」と言った選択はない。
選択とは比較することでもある。
株投資をする時、例えば、電池素材のリチウム鉱山株か、半導体株か、ソフト株かと、迷う。そして、儲かれば幸せで、失敗すれば不幸、だと思う。しかし「そのように比較することは愚かだ」と仏教では説いている。老荘思想では「結果にかかわらず、何を選んでも正しい」と説いている。

何も考えず、何の知識にも影響されずに、選択することは不可能だ。
選択には、それまで学んだ知識や経験が影響する。
選択した結果のほとんどは自分に有利になる。
だから、悪い結果が起きても、素直に受け入れるべきだ。
不道徳な犯罪を除いて、全ての行動は正しい。

 不測に立ちて無有に遊ぶ

荘子は「受け身の生き方に自由で主体性のある生き方がある」と説いた。
現代人の多くは、受け身は自由を失った消極的な生き方だと否定している。
それに逆行する荘子の思想には、ハッとする新鮮さを感じる。
人は受動的にしか生きられない。
脳科学では、行動や思考の総ては外からの刺激の結果だとされている。
自分を最上位に置く西洋思想では、自分の行動は全て、内なる自分の意思に従った結果だと思い込んでいる。
荘子はそれは大きな錯覚で、本当は外からの刺激に従っているだけと、自発的な意思を否定した。

仏教と老荘思想の違いは、道徳に対する考え方だ。
仏教では道徳的な慈悲を重視した。
対して哲学的な老荘思想では、道徳的規範に関しても予断を否定した。
老子は、赤ん坊のような無垢な考えこそが正しいと考えた。

先日、散歩道で私より少し年長の古い知人に会った。
彼は激ヤセしていて、一瞬誰か分からないほどに変貌していた。
私はそのことに触れないように、普通に世間話をした。
彼は自ら、痩せたことを話した。
「食欲がなくて、以前の3分の1も食べられなくなった。
病院にはかかっているけど、別段どこも悪くないようだ」

以前、彼は75キロほどの、がっちりした体格だった。
今は50キロを割っていると言う。
通常、急激に体重が減った時は進行したガンを疑う。
しかし、医師の診断ではガンはなく、どこにも悪いところはないようだ。
彼は最近忘れっぽくなって、深く考えなくなったと話した。
それは強がりではないようだ。
あれこれ悩むエネルギーもなくなって、彼はいたってのんびり、幸せに見えた。
彼と別れた散歩道に、ツクツクホーシが降るように鳴いていた。

 やがて死ぬ 景色は見えず 蝉の声

彼と別れた後、芭蕉が禅僧に示した句を思いだした。
句の前詞は「無常迅速=世の移り変わりは速く人生は儚い」
その頃の芭蕉は、乞食僧に深く共鳴していた。
今の歳になると、この句がとても心に響く。

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冷たい小雨ふる荒川河川敷。

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河川敷ゴルフ場では、雨に濡れながらプレーをしているグループがいた。

このところ、10月のような涼しい雨の日が続いて、蝉の声は消えた。
酷暑で朦朧としていた頭がすっきりすると、厳しい現実が見え始めた。
おかげで、仕事への意欲に弾みがついている。

菅首相は総裁選に不出馬を決めた。マスコミや野党は、コロナ対策の失敗が原因だとしている。しかし、菅内閣はワクチン接種1日100万人の公約どころか、130万人超えを実行した。それは国際的にも評価されている。阿部さんの後を継いだ時、彼は「1年だけ頑張ってみる」と話した。彼は言葉数が少なく、国の代表には向かない。彼の不出馬は、自分の言葉に従っただけのことだろう。
ロックダウンについては、一時的な効果はあるが、終息に繋がらないことを欧米が実証している。まして、日本の現行法ではロックダウンは不可能で、経済的損失も大きい。

与党以上の対策ができる人材は野党にはいない。野党は政府の足を引っ張り、不安を煽ることばかりやって来た。去年の春、国会で野党が追求していたのは、コロナ対策ではなく「森かけ桜」ばかりだった。
これから誰が総理になろうと、コロナ終息はウイルスの弱毒化に頼るほかないのが現状だ。
菅首相不出馬の最大の原因は、成果のPR不足にあると思っている。

野党内に政権を任せられそうな人は一人も思い浮かばない。
どの顔も無能で、日本に危機をもたらす顔ばかりだ。
日本のマスコミも、そう思っているようだ。海外での政局では、その国のマスコミは対抗馬になる野党代表の名を必ず挙げる。しかし、日本マスコミは、いずこも枝野氏などの野党代表を軽視している。

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