中国バブル崩壊が、いよいよ始まりそうだ。2021年10月13日
習政権は第二の文化大革命を起こそうとしている。
破綻寸前の中国最大級の不動産グループ恒大集団を、政府は助けない方針のようだ。これまでのこのケースでは、政府は湯水のように資金をつぎ込んで助けていた。だから、とんでもない水準にまでバブルは膨らんでしまった。
日本のバブル絶頂期での住宅価格は年収の18倍まで高騰した。
それに対して今の中国の住宅価格は年収の60倍だ。具体的には、適正価格1千万の住宅が今は、1億円で取引されている。しかも、住居物件は34億人分が建設されている。その結果、不動産市場は国民が我を忘れて住宅を賭ける賭博場化してしまった。しかも中流階級の多くは、一人で数軒の住居に投資している。最後に尻拭いをするのは国家なのか国民なのか、何れにしても狂気の沙汰だ。
今「鬼城・ゴーストタウン」で検索すれば、中国各地の、一度も人が住むことなく廃墟化した高層ゴーストタウン動画が多数ヒットする。住居だけでなく開業せずに廃墟化したテーマパークも多い。そのような動画は中国政府の規制がかかり、そのうち削除されるだろう。
ちなみに、日本のバブル後にもそのような廃墟が出現したが、一度も利用されないままのケースは殆どない。
鬼城の膨大な空き住居は国家が没収し、貧乏な国民にタダ同然で貸し出され、習政権は中流以下国民の支持を集めるだろう。それはバブル解決方法として合理的な方法だが、資本主義国家の日本では不可能だった。
これまで、恒大集団をはじめとする巨大デロデッパーに、地方政権は巨額資金を貸し込み、その金利で財政の3割を賄っている。もし、デロデッパーを潰したら、財政難に陥った地方政権は、破れかぶれになって一斉に習政権に牙を剥くだろう。その押さえ込み対策として、習政権は共同富裕(共に富裕になる)を含む第二の文化大革命を考えている。それは中国の巷間では共同貧困(共に貧困になる)と揶揄されている。その結果、中国の不動産は少数の国有企業を除いて、一社も残らないだろう。
毛主席の文化大革命の頃、私は中国本土発行の人民日報を購読していた。購読と記したが、半年ほど金を払っただけでやめた。しかし、人民日報は、それから2年近く送られ続けた。だから、文化大革命の実態は何となく理解している。あれは、未熟な青少年心理を利用した強権政治だった。紅衛兵は既成文化の破壊だけでなく、子供が親を糾弾し、死に追い込むようなことが普通に行われていた。無謀な生産計画により、農業と工業は深刻なダメージを受け、数千万人が餓死した。
この手法は、アフリカやカンボジアで、虐殺を平然と実行した少年兵たちと酷似している。
今回の第二の文化大革命の序曲として、カラオケ、学習塾、オンラインゲーム、軟弱な芸能文化、海外航空便、ネット通販などと贅沢への締め付けが始まっている。深刻な燃料不足も起きて、自動車利用制限、ネオンサイン禁止、高層住宅のエレベーター利用制限などが強いられ始めた。
話題には上がらないが、中国の画商の多くは経営危機にあり、中国へ高値で流れ込んだ有名作家の作品が欧米へ流出し、中国人気の作品価格の下落が起き始めている。それはバブル後に日本でも起きていたことだ。文化大革命と今回の大きな違いは、AIがスマートに効率的に、紅衛兵に代わって国民弾圧を始めていることだ。
上海などへ殺到していた出稼ぎ日本人の大量帰国が始まったのも、そのような閉塞感が一因だ。もし、ソヴエトのKGBがこの監視システムを手に入れていたら崩壊は起きなかったはずだ。
これまで、中国の石炭火力は豪州産高品位石炭に頼っていたが、貿易摩擦によって輸入は止められた。それに代わってインドネシア産の低品位石炭が輸入され始めた。しかし、コロナ禍によってインドネシア産が十分に入ってこない。慌てて豪州産石炭に頼ろうとしたが、順当に入り始めるのは来春に持ち越されそうだ。この状況で冬を迎える中国の庶民は、困ったことになりそうだ。さらに、習政権は冬季オリンピックを絶対に成功させなくてはならない。習政権がどう舵をとるのか、目を離せない状況が続きそうだ。
中国は石炭の大産出国なのに石炭危機に陥ったのは、脱炭素の公約に従ったからだ。再度、国内産へ回帰することになったが、低品位石炭が大量消費されて、大気汚染は以前に戻るだろう。
世界に誇っていた中国の経済成長は低迷し始めた。もし、経済が回復がないまま悪化すれば、国民の半数近くの低所得層の不満が爆発する。しかし、習政権は、簡単に富裕層を締め上げ、多数派の持たざる中流層以下への融和策をとるはずだ。
中国のバブル崩壊は民主主義の日本とはまったく違う形態を辿る。中流と富裕層を切り捨て、低所得者を優遇する強権政策は容易だ。中国はAIと監視カメラを合体させ、高度な監視システムを構築した。だから、どんなに些細な反乱の芽も見逃さない。一度自由を味わった国民の抑圧感は爆発寸前だが、反乱の気配は即感知されて拘束される。
上記の状況では、日本へ殺到していた中国人観光客も、爆買いも、コロナ前水準には絶対に回復しない。中国特需で賑わっていたハリウッドや韓流も、芸能文化緊縮政策の影響から免れないだろう。すでに、米国市場をあてにして制作された新作ハリウッド映画の上映が、中国政府により禁止されている。そのような親中映画など、日本や欧米諸国は見向きもしない。
習政権の中国は共産主義国家だ。数千万の犠牲や経済破壊など平然と乗り越えるはずだ。
中国の変化を早くに察知していた香港の富裕層のほとんどは、資産の海外移転を終え、不動産株の処分を終えている。中国本土で稼いでいた台湾資本が、中国と距離を置き始めたのも、このバブル崩壊を予期していたからだろう。上海や香港の出稼ぎ日本人たちも、さらに帰国を早めている。これから中国では歴史的変動が起きる。一時的に終わるかどうか専門家でも予測し難いが、中国が準鎖国状態に戻り、混乱期に入ることだけは確実だ。
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建造物や自然を梱包するインスタレーションで知られている現代アートの巨匠クリストは2020年5月31日にニューヨークで亡くなった。
彼の企画していたパリ凱旋門の梱包が9月27日に実行された。
ネット検索すればすぐに画像が表示される。
白っぽい布で梱包された凱旋門は不思議な異空間をつくりだしている。
上画像は、散歩コースの、外壁の修復のため黒い網で梱包されたマンション。
アート作品ではないが、不思議な存在感と魅力がある。
熟し始めた公園の柿の実。渋柿で甘くはない。
散歩コースの湧水。
工場敷地跡に30センチほどの穴が空いて、こんこんと湧き出ている。
水道管の損傷と間違えて、空き地の所有者に抗議する人が多いようだ。
「水道管の破損ではなく湧水です。
目下、原因と対策を考慮中です」
との張り紙が、あちこちにあった。
厳冬期になれば氷結して、滑る人が出そうだ。
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