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2022年3月18日 (金)

欧米とロシアの国益を考えれば、ウクライナ事変の行く末が見える。2022年3月17日

報道はロシア・プーチンによるウクライナ侵攻一色になってしまった。この戦争で連想するのは、大阪市北区の心療内科クリニック放火殺人事件だ。例えれば、プーチンは放火殺人犯の谷本容疑者と重なる。谷本容疑者は家族にも愛想をつかされ、経済的に生活保護を門前払いされて困窮の極みだった。世界有数の資産家プーチンとは真逆だが、何の恨みもないクリニックに放火して、25人を殺してしまった点は似ている。

この戦いで追い詰められているプーチンは習主席に助けを求めた。それは中国にとって大難題だ。もし、習主席がプーチンの願いを受け入れ、巧く立ち回れば、中国は巨額な漁夫の利を得る。しかし同時に、西側からの激しい反発を受けて不利益も被る。
もし習主席が無下に拒否すれば破れかぶれになって、谷本容疑者のように暴発するかもしれない。それは凶悪犯が核を手にして追い詰められるのと同じだ。ロシアの核ミサイルは欧米だけでなく、中国へも向けられている。
結局、習主席は悩みに悩んだ末、曖昧に振る舞うだろう。

ウクライナ事変については、今、世に溢れている論評はバイアスがかかり不正確だ。去年以前の論評の方が冷静で正確だ。過去の分析では合理的に侵攻を予測し、ロシアが圧勝するとしていた。ただし、ロシア軍の弱体化とウクライナの頑強な抵抗について予測は外れていた。
プーチンは最後の手段として、市街戦に長けたシリア傭兵やチェチェン傭兵の投入を考え、4万人が傭兵登録を済ませている。彼らは女子供でも容赦無く殺す。そうなれば陰惨なゲリラ戦に泥沼化することになる。

ソ連崩壊以来、欧米はやりたい放題にNATO加盟国を東へ拡大させ、ロシアを窮地に追い込んだ。日本に例えると、朝鮮半島から台湾、フィリピンまで、全てが敵対国家に変わるような恐怖感だっただろう。登場した頃のプーチンは、米国に妥協し、ドイツとは穏健路線をとっていた。かってソ連封じ込み策を立案した米国の老政治学者ジョージ・ケナンは、そのようなアンバランスな状況を容認すると、ロシアは暴発すると警告した。しかし、米国政界は彼の意見を無視した。

大ロシア主義に傾倒していたプーチンは、2014年3月、ウクライナのクリミア半島を併合した。ロシア人が多いクリミア半島の併合を、欧米は大した問題ではないと看過した。
それから8年後、コロナ禍で誰とも会わず閉じこもっていたプーチンは、次第に大ロシア復活の野望を膨らませた。そして、暴発するようにウクライナ侵攻を実行した。
しかし、プーチンの期待は外れ、弱体化していたロシア軍はウクライナ軍に苦戦した。その結果、軍事施設に限定していた攻撃は民間施設へ拡大し、女子供の犠牲者が多数出て、プーチン憎しの機運が欧米で一気に高まった。シリア内戦でロシアは民間人を多く殺戮したが、その時はさして非難されなかった。白人殺害とアラブ人殺害では、西側反応がまったく違うことをプーチンは思い知らされただろう。
今、プーチンがキエフ突入を躊躇しているのは正解だ。キエフはロシア人にとって、日本における古都京都のようなものだ。さらに、第二次世界大戦のレニングラード包囲戦のような激しい消耗戦になるのも必至だ。

長引く戦いに西側経済界は戸惑っている。
今やウクライナは最新兵器の実験場化し、西側最新鋭の偵察攻撃ドローンや対戦車ミサイルのジャベリンなどが注ぎ込まれている。対してロシア軍は、中国製の粗悪な通信機器などから情報が筒抜けで、兵站も悪く士気は地に落ちている。

開戦まで、EU・ドイツはロシア産天然ガスをあてにして、脱炭素運動を推し進めていた。この脱炭素運動の要因の一つは、日本車産業の強さにあった。中国も欧米勢も、どうがんばっても日本車に勝てないと分かってから、地球温暖化防止のための脱炭素運動をかかげ、内燃エンジン車を排除しようとした。しかし、今回のウクライナ事変によってエネルギーとEVに必須の希少金属が高騰し、脱炭素運動は後退した。
この事態を遡ると、プーチンのエネルギー・希少資源戦略が浮かび上がってくる。脱炭素運動で一番利益を得るのはロシアだった。当然ながら脱炭素運動の背後でプーチンが動いていた。その策略に乗って早々と原子炉を廃棄し始めたメルケルは、大失態を犯してしまった。

ドイツ・EUはクリミア半島のようにロシアがすんなり勝って、新設の北海経由の天然ガス供給に支障はないと考えた。対して、北海経由が主力になったら、ウクライナ経由のガスラインの利権は毀損される。
それが理由ではないが、ゼレンスキーは予想外に頑張って戦いは膠着した。
「ゼレンスキーが頑張りすぎたおかげで大損した」がドイツ人の本音だろう。しかし、白人犠牲者が増えてしまっては、西側世論はプーチンを絶対に許せなくなった。ウクライナにあったキエフ大公国は北欧のバイキングの流れを汲み、金髪碧眼の人が多い。ことに西ウクライナは美人の産地だ。それではなおさら、欧米は許せないだろう。

このまま戦線が膠着したら、インフレと不景気が同時に起きるスタグフレーションに至る。だから、西側はゼレンスキーが国外に亡命政権を作ってくれることを密かに望んでいた。そうなればプーチンは面子を保ち、話し合いが進んで戦いが終息しやすくなるからだ。
しかし、ゼレンスキー支持は拡大する一方で、亡命政府案の実現は難しくなった。今の劣勢が続けばプーチンの生物化学兵器と核が暴発するかもしれない。いやすでに、核代わりに民間人の無差別殺戮をしている。勝った勝ったとの報道とは真逆に、西側各国は戦争終息の難しさに頭を抱えている。

プーチンは狂人だとか、病人だからとか、この戦争の原因を簡単に片付けようとする傾向がある。それなら、数千万を殺したヒトラーも、スターリンも、毛沢東も狂人だったから仕方がないとされてしまう。そのような思考では、この戦争は解決しない。
国家は正義より国益を優先して行動する。ウクライナ事変は各国の国益を念頭に置かないと真実は見えない。反戦運動は常に人道主義と国益が複雑に絡んでいる。

最後にロシア研究家中村逸郎教授による戦争終結の奇策。プーチンは本当はNATOが大好きで、入りたくてたまらないそうだ。だから、プーチンにNATO入りを勧めたら必ず乗って来る。ただし、そんな奇策を実行できる政治家はトランプ氏しかいない。彼がモスクワに乗り込み直談判すれば戦争はすぐに終結するかもしれない。
トランプ氏は凶暴だと大誤解されているが、彼は一貫して戦争の芽を摘んで来た。彼はノーベル平和賞を貰っても良いくらい平和をもたらして来た。

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「娘は戦場で生まれた=原題:For Sama」2021年4月2日放送が今月11日に再放送された。
戦地シリアで仲間と作った病院の記録映像。2019年カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞。
シリアのジャーナリスト志望大学生ワアドは反政府デモ参加をきっかけに、激戦地アレッポでスマホ撮影を始めた。
やがて、医師をめざすハザムと結婚して、空を意味する娘サマを出産しカメラを回し続けた。アレッポの反政府地区にあった九つの病院のうち八つはロシア空軍の空爆で破壊された。破壊つくされた街の砲撃跡はドクロの眼窩のように黒々と不気味に広がっていた。

絵はワアドをイスラム風に描いたが、彼女は狂信的ではない。普段はベールを被らず、普通の洋装のイスラム教徒だ。
幼いサマは手術室の負傷者の血の匂いの中で、哺乳瓶を口に笑顔を見せていた。硝煙の臭いにも激しい砲撃にも動じず、天使のような笑顔をふりまいていた。
「大勢の一般人が政府軍とロシアの戦闘機に殺されているのに、欧米は関心を寄せない」
このワアドの言葉は心に刺さったままだ。今、ウクライナの死傷者たちに涙している西側の市民たちが、中東・アジア・アフリカの死傷者に対して心が乾いていたのは事実だ。第二次大戦以来の難民がウクライナから出ていると言われているが、中東・アジア・アフリカの難民は、それをはるかに超えたものだ。

ゼレンスキーは米国国会で真珠湾奇襲とNYツインタワー攻撃を語ってスタンデングオベーションを受けた。しかし彼は、ヒロシマ・ナガサキを語らなかった。ロシア・プーチンほどではないが、彼の演説もプロパガンダだからだ。ちなみに、真珠湾の日本軍操縦士たちの技量は極めて高く、攻撃は軍艦と軍事施設に限定され、巻き添えの民間人死傷者は少なかった。

アレッポ陥落の後、ワアド一家はトルコ経由で九死に一生を得て英国に亡命できた。そして、このドキュメンタリーは世に出た。

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