« 宝船オブジェで仕事部屋に運気を招く。ロシア・ウクライナ侵攻と比べ、中国・台湾侵攻は難しい。2022年4月30日 | トップページ | 夜道の一人歩きでは、決して振り返ってはならない。死は、幾度も折り合いをつけながら受け入れてしまう。2022年5月14日 »

2022年5月 7日 (土)

Nスペ「東京ブラックホール」バブル崩壊は何だったのか。世の中は地獄の上の花見かな・一茶 2022年5月7日

1日・NHKスペシャル「東京ブラックホール」はバブル世代には切ない番組だった。物語は山田孝之演じる現代の若者がバブル時代にタイムスリップすることから始まる。それはバブル絶頂の1989〜90年。彼は、夜の街に辿り着いた。バブルによって、全ての人が豊かだったわけではない。しかし、調査では51パーセントが現状に満足し、将来に希望を抱いていた。その数値は過去百年で、最高値だったかもしれない。バブルで得られたあぶく銭は、夜の街での度を逸した享楽に費やされた。彼はそのようなクラブで働き始め、仲間ができて、狂乱するバブルを間近に見た。そして、バブルはすぐに崩壊し、元の世界へ戻った。

映像は残された当時の記録と合成されていた。
夜の街を彷徨する者たちの中に、幾度も当時の自分が写っているような気がして、切なくなった。当時、私は45歳。絵描きに転向して間もなかった。あの頃は、絵描きにとっても空前絶後の最高の時代だった。
私には何の経歴もなかったのに作品はすぐに売れ、毎日のようにイラスト依頼が来た。広告・出版界がとてつもなく元気だったからだ。その頃、遊びすぎてお金に窮すると、知り合いのデザイナーを頼った。彼らはすぐに出版社を紹介してくれた。訪ねると、初対面なのに編集長は適当に装丁の仕事を選んで発注してくれた。出版社のギャラは広告業界の数分の一だったが、クレームが殆どないので楽な仕事だった。2,3日で描きあげて納品すると、月末には10数万が確実に振り込まれていた。

その頃、私は連日夜更かしして、お昼ころまで寝ていた。だから、仕事依頼の電話に起こされるのが煩わしく、大抵はにべもなく断っていた。ちなみに今は、仕事依頼は電話ではなくメールだ。そのメールも、コロナ禍に入ってから完全に途絶えている。
絵画市場、広告業界、出版界の縮小は、コロナによって加速がついたような気がする。

「あの狂乱は何だったのか」と、バブル世代の多くは複雑な思いで振り返る。
あれから30数年、低迷する日本を尻目に世界は順調に躍進し続けた。日本が停滞したのは、努力が足りなかったからではない。イノベーションが不足していたからでもない。真の幸せは経済だけでは得られないと、多くの日本人が学んだのが、最大の原因だと思っている。

日本人の多くは、近年訪れた中国の狂乱バブルをシニカルに眺めていた。中国政府は日本のバブルを徹底的に研究し対策を練ってきた。だから、中国はバブルをうまく乗り切ると思っていた。しかし去年、中国バブルは崩壊しはじめた。
先日、上海からの留学生が「メイド喫茶でアルバイトを始めた」とユーチューブで話していた。かなり可愛い子で、実家はマンション3軒を所有している。上海の不動産価格で計算すると、資産数億の新富裕層だ。コロナ禍前、爆買いの中核を占めていたのがその階層だ。
仕送りは十分なはずなのに、彼女がアルバイトを始めたのは先行きに不安を感じ始めたからだ。上海は中国内ではゆとりのある裕福な地域だ。それでも今、不動産は相当に値引きしても売れない状態だ。上海がそうなら、不動産に巨額な予算をぶち込んで、値上がり益をあてにしていた地方政権の惨状は目を覆うばかりだ。

中国は歪んだ計画経済だ。中央政権が全国に数値目標を掲げると、地方政権は経済合理性を無視して達成しようとする。達成しないと無能の烙印が押され、下手すると失職してしまう。バブルの初期、地方政権は極端な不動産高騰のおかげで、投資額の数倍の利益を得ていた。しかし、それらの新興地域は、今は鬼城=ゴーストタウン化して、政府はダイナマイトで爆破し始めている。

コロナ禍をきっかけに、中国バブル崩壊は加速した。それなのに、中国の新幹線・高速鉄道網は拡大の一途だ。しかし、黒字路線は一つもない。運営すればするほど、巨額な赤字が積み増しされている。今はまだ国力があるので赤字に耐えられているが、近い将来、大変な重荷になるはずだ。

中国は去年まで、コロナ禍の押さえ込みに世界で唯一、成功したと豪語していた。しかし、オミンクロン株が流行った今は、極端なロックダウンや交通遮断により、食物を手に入れなくなった社会的弱者には餓死者まで出ている。全体主義の方が効率的だと中国に大賛辞を送っていた日本のリベラル・マスコミ人たちは、それらの現実に対して手のひらを返し、口を閉ざしたままだ。

日本のバブルは、20万の生産性しかない土地に100万の値段をつけたことで弾けた。たとえば山手線の内側の土地価格で米国が買えると言われたほどだ。
日本のバブルは凄かったが、それ以上に、米国のガーファ=GAFAのバブルは巨大だ。
さらに凄まじいのはイーロン・マスクのテスラ株だ。10年前にテスラ株に100万投資した人は、今は1億に大化けしている。だから「東京ブラックホール」で飛び交っていた10億20億などの金額が、とても小さく感じるほどだ。
誤解している人が多いが、イーロン・マスクが電気自動車を発明したのではない。現在のEVは世界中で20年以上前からコツコツと研究されて来た。イーロン・マスクは他人の成果に乗っかって、大博打にでて勝っただけだ。
同じバブルでも、GAFAの創業者たちの方がずっと実体がある。
テスラは良い電気自動車だ。しかし、数年前の型を中古で売りに出しても二束三文にしかならない。なぜなら、リチウム電池が発展途上だからだ。その点、トヨタは新型EVを売却ではなくレンタルに特化した。それはとても賢いやり方だ。それなら、ユーザーは安心して利用できる。

結局日本は、徹頭徹尾米国にしてやられてしまった。
バブル崩壊でも、ウオール街は裁定取引で日本売りを浴びせ、大暴落させ大儲けした。株だけではない。世界を独占しかけた半導体生産でも、米国の無理強いによって日本は凋落させられた。欧米の貪欲さは日本より2枚も3枚も上手だった。
日本人にバブルは似合わない。日本人は伝統的に、真摯に働き、ほどほどの幸せを求める国民だった。この穏やかな民度は、むしろ近未来の生き方を先取りしている。

 世の中は地獄の上の花見かな 一茶

一茶の生きた江戸期にも、バブルに似た時期があったのだろう。
足元の崩壊が迫っているのに、飲めや歌えの大騒ぎ。
気が付いた時は、地獄へ真っ逆さま・・・

俳優・渡辺裕之さんが自死された。彼はバブルを経験した世代だ。夫婦仲も良く仕事も順調だったようだ。華やかさの影に、他者には分からない葛藤があったのだろう。心から、ご冥福を祈っています。

M_10_20220506234601
バブルの頃、某雑誌に連載していた天使シリーズのイラスト。
人魚に酒を注いでいる天使。
詩も任されていた。

心の中に海がある
いつもかわらない海がある
波音に耳を傾けていると すべてが消えて
おだやかな心が残る

そんな詩だった。
残念ながら、その出版社はバブル崩壊後に消えた。

M_8_20220506234601
レトロな日本計測器製の寒暖計。
57年前の20歳の頃、この寒暖計を持って厳冬期の北海道を旅した。
早朝、網走刑務所を訪ねた時、氷点下20度を下回り、網走川にダイヤモンドダストが煌めいていた。
立ち止まって寒暖計を眺めていると「今何度だ」と地元の人に聞かれた。
寒暖計を見せると「へーっ」と驚いていた。
地元でも20度以下はあまりないと、その人は話していた。

我が家には各部屋に温度・湿度計がある。
このレトロな寒暖計には針金の支持具を付けて、どこにでも置けるようにした。
傍に磁石と砂時計が写っている。写真を見て気づいたが、私は計測器が好きなようだ。
砂時計は人生に似ている。中間では上の砂が減るスピードはゆったりしている。しかし、終わり頃はあっという間に落ちてしまう。今の私は上の砂が小さな三角形になっている状態だ。一瞬で落ちてしまう砂を眺めていると、息苦しくなる。
右手の黒い万力は、50年前に十条の道具屋で買った。
普通品より2,3割高かったので「どうして」と老主人に聞くと「使えばわかる」と彼は答えていた。
確かに、この万力で不満を感じたことはない。
彼の答えは正しかったようだ。

M_7_20220506234601
先日取り替えた鍋の柄。
濡れと乾きを数回繰り返しただけで割れが入った。強度は保っているが、割れがこれ以上広がらないように小穴を開けて止め、アルミ線で締めた。作ってみて、鍋メーカーが木柄の素材に深く配慮していることがわかった。

M_9_20220506234601

隣室の姉は明け方まで、テレビをつけっぱなしで寝ている。
一度文句を言うとテレビを止めるように気をつけてくれたが、すぐに元に戻った。
さらに、同じ文句を言うのは面倒なので、寝るときは耳栓をつけて対策した。
耳栓はカナル型イアホンのイヤーピースに綿棒を差し込んだだけのものだ。完全に音を遮断できないが、自分の血流音のザーザーが外部音にまさり、よく眠れる。血流の音は胎児の時、誰でも耳にしていた音だ。ザーザー音を赤ん坊に聞かせるて落ち着くので、録音したCDを売っているほどだ。私も気持ちよく眠れるところを見ると、胎児の記憶が残っているようだ。
この耳栓は、数時間で自然に外れるので耳を痛めない。
だから、起床するといつも、外れた耳栓を探している。

M_4_20220506234601

先日、突然、激しい雷雨がやってきたので病院で雨宿りした。
いつまでたっても止みそうにないので、病院内のコンビニで雨傘を買った。

M_3_20220506234601

皮肉なことに、傘を買ったらすぐに青空が広がり始めた。

M_2_20220506234501

荒川土手に着いた頃に、雨は完全に止んだ。

雨上がりの街は
思い出が透きとおって見える
すみずみまで
よく知っていると思っていたのに
失くしたものに
何度もつまずいてしまう

前記の雑誌連載の天使シリーズのために書いた。

M_6_20220506234601

ホームセンター「島忠」前の駐車場上の三日月。

日本人には独自な幸せの定義がある。
日本人とは価値観の違う欧米機関が調査すると、日本の幸せ度も親切度も最下位になる。
でも、欧米崇拝の強いマスコミ人は鬼の首を取ったように、日本人は不幸で不親切な国民だと言い立てる。
そんな評価に、国民の多くは違和感を感じるだけだ。

ユニセフの調査では、日本の若者の社会への不満度は38ケ国中37位だった。このような国連関係の調査はまったく信じない。同世代の友人たちとこれについて話すと「社会に不満を持つのが若者だろう。むしろ、不満を持っていない若者に危惧を感じる」と一蹴する。
欧米などの若者が社会的満足度が高いなら、何故、過激に暴徒化するのだろうか。若者の怒りの象徴「ロック」が、何故、欧米で支持されているのだろうか。マスコミ人やリベラル左翼は、日本を貶めることが大好きだ。彼らは社会の闇を増幅させ「日本人は、本当は救いようがないほど不幸だ」と言いたがる。

Ma_3

Ma_4

Ma_5

Mas

|

« 宝船オブジェで仕事部屋に運気を招く。ロシア・ウクライナ侵攻と比べ、中国・台湾侵攻は難しい。2022年4月30日 | トップページ | 夜道の一人歩きでは、決して振り返ってはならない。死は、幾度も折り合いをつけながら受け入れてしまう。2022年5月14日 »