紅葉の上野公園。アメ横で高品質カシスジャムが1キロ100円と激安だった理由。2022年11月12日
11日金曜、上野へ出かけた。電車は高崎線のボックス席。窓際に腰掛け、午後の車窓の風景を眺めていると、遠くへ旅へ出かけた気分を味わえる。上野公園の噴水広場は紅葉が始まっていた。これからイチョウの黄葉が盛りとなる。人出はコロナ前に回復し、噴水前のスタバは長蛇の列ができていた。
欧米からの観光客も回復していた。改めて感じるのは、彼らの表情が穏やかでのんびりしていることだ。心から日本の環境の良さを楽しんでいる。意外なのは、以前より赤ん坊連れのベビーカーを押している海外旅行者が増えたことだ。日本は赤ん坊連れでも安全快適に旅ができることが海外に知られたようだ。例えば、公衆トイレも清潔で、男子トイレの個室におむつ替え台や赤ん坊用の安全な椅子が完備している。それは欧米ではあり得ないことだ。
欧米など海外旅行では、外出時のトイレ確保が難題だ。コンビニやファーストフード店では、買い物をしたレシートに打たれた暗証番号を入れないとトイレのドアは開かないシステムになっている。しかも、日本基準で比べるとかなり不衛生だ。それは有料トイレでも同じで、不潔な上に便座がないケースも多く、女性だと使用することに勇気を要する。日本では、コンビニ、デパート、駅などで清潔な暖かい便座付きのウォシュレット を無料で使える。しかも、清潔でお洒落な化粧室も完備していたりする。それは海外旅行者には奇跡だ。外出時のトイレで悩む必要がない日本は、世界では奇跡の国だ。
インタビュー番組で「文明国に来た感じがする」と観光客の一人がこたえていた。東京は道が狭く住居は狭いが、円安でも欧米のようなインフレは起きず、文明国としての民度を満たしている。赤羽から東京駅へ行く時、公共交通が正確なので数分の誤差しか生じない。欧米のレストランの水準と日本のスーパーの安物の惣菜が同じ水準だ。それらは国際的には特異なことだ。
欧米でウォシュレット が普及しない理由が二つある。一つは強い硬水のため、ノズルが石灰分で詰まること。もう一つは、トイレとシャワーを同室に設置する習慣があり、感電防止のために法律で電源を設けてはならないことになっている。
韓国の一般的なトイレは、トイレットペーパーを流せない。だから使ったトイレットペーパーは、個室のゴミ箱に捨てる。うっかり流すと、日本と比べて細い口径の下水管が詰まりやすく、高額な補修費を負担させられる。ソウルの有名料理店であってもそのようなトイレが多く、食事の途中にトイレを利用したりすると、強烈な悪臭に晒されて食欲を失うことになる。まして、台所のシンクの隣にトイレが設置されているような一般家庭では、想像するのもおぞましい。
水道水が安全に飲める国はアジアでは、中東の金持ち産油国と日本くらいだ。インドでは、シャワーを浴びただけで細菌感染をおこしたりする。
海外観光客たちの のんびりした表情は、そのような日本独自の安全・清潔で心配りが行き届いた環境のせいだ。
先日、1990年公開の英国映画・シェルタリング・スカイを見た。第二次大戦直後1947年の北アフリカを旅する、倦怠感を漂わせた夫婦を描いた名作だ。都市や集落の不衛生さは当たり前の時代だったが、砂漠には清潔感があった。砂漠なら何処で用を足しても、悪臭やハエの大群に悩むことはない。不衛生は文明が招いたものかもしれない。下水が未整備だった昔の日本でも、自然あふれる田舎のトイレは、さほど臭くはなかった。
上野公園の国立西洋美術館でピカソ展をやっていた。
近くの国立科学博物館では「毒」をテーマにした特別展。入場料はともに2000円。
ピカソはこれまでに500点ほどの原画を見ている。だから今更、原画を見る必要はない。複製画像でも十分に原画を想像できて堪能できる。しかし、科学博物館の「毒」は、絶対に見たい。毒キノコ、毒カエル、毒虫、毒物。自然界のあらゆるところに毒がある。それを、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の各分野のスペシャリストたちが、徹底的にオタク的に掘り下げているので絶対に面白い企画だ。しかし、出かけたのが遅く時間が足りない。1月まで特別展は続くので、改めてゆっくり見に行こうと思っている。
上野公園からアメ横へ回った。活気のある無国籍の雰囲気が楽しい。
「二木の菓子」に寄るとニュージランド産カシスの高品質ジャムを投げ売りしていた。1キロ・定価2300円がたったの100円。理由は賞味期限が11月29日と迫っているからだ。このままでは、問屋はお金をかけて廃棄処分することになる。だから破格の安値での投げ売りだ。たくさん買いたいが重いので2個だけにした。段ボールに詰めたまま山積みされていたが、ほとんど売れていなかった。
重いので2個だけ買った。奥の瓶は未開封なので蓋中央が凹んでいる。手前は開封したので凹みが上へ飛び出ている。
蓋が凹んでいるなら缶詰と同じで、賞味期限が過ぎていても、まったく問題はない。
帰ってからヨーグルトに入れて食べたが、香りが濃厚でとても美味かった。
今日の散歩コースの黄葉。
もと製薬工場後のマンション建設現場。
塀に貼られているのは完成予想のCG写真。
昔は、完成予想図を描く専門イラストレーター がいて、高給を稼いでいた。この写真を見ると彼らの仕事は壊滅しただろう。何しろ、各部屋の内部の生活感まで描かれている緻密さだ。しかも、CGは制作費用も安くて早い。
11月13日午後、生暖かい雨がやったてきた。
歩いていると、この湿気はベタついて心地よくない。
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