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2023年5月30日 (火)

生身が発する声がアートだ。谷川俊太郎「朝のリレー」を生成AIで画像化。新ラッキョウの季節。2023年5月30日

画像生成AIが生成した画像は、生活と人生を対峙させて考えている。
「アートは生身とリンクしていなかったら、その価値がない」
それが今の答えだ。

先日のNHKスペシャル「響きあう歌・コロナ禍・喪失と再生の物語」は短歌がテーマだった。
今、多くの若者がSNSに短歌を投稿している。
この番組にも2週間で、2600首の短歌が寄せられた。

AIが作る短歌や俳句はまだ不完全だが、すぐに見事な短歌や俳句を作り出すようになるだろう。
しかし、生身とリンクしていない短歌は意味がない。
優れているとか劣っているとか比較するものではなく、アートは生身の人間に必要な食べ物や空気や水みたいなものだ。

アートは生身の人が発するうめき声のようなものだ。
うめき声は、それを聞いてくれる人がいることで安らぎを覚える。
AIは人のうめき声に共感するが、それはプログラミングされているからで、同情では真の安らぎは得られない。

ちなみに、絵描きには短歌は長すぎる。
伝統的に絵描きは俳句の方が好きだ。
小説家は「俳句は短すぎる」と言う。
私の知っている限り、小説家の多くは短歌が好きだ。

自作の句

 黄昏の シンクに林檎 一個置く
 少年を ぼんやり眺める バッタの目
 シャツを干す その指先に 入道雲
 寒い夜 自販機律儀に 客を待つ
 真夜中に むせて奈落の 闇を知る
 春雷に 青く煌めく キランソウ

新ラッキョウの季節が来た。
店頭に並んでいたのですぐに買った。
私の食べ方は、甘酢に漬け込むのではなく生食だ。ラッキョウとエシャレットは同じもので、出汁入り味噌をつけて齧るととても美味しい。
薬味として納豆などに加えてもいい。生食の場合は、薄皮だけでなく外皮も厚く剥くと筋っぽさが消えて、サクサクとして美味しい。

ラッキョウ農家は、季節の旬として生食を楽しんでいるようだ。
血栓防止の薬効があり、同じ効果がある納豆と組み合わせると最強だ。
ニンニクのような強壮効果もある。漢方では「薤白(ガイハク)」と呼ばれ、健胃、整腸、食欲増進などの作用があるといわれている。

他に、冷凍ブルーベリーとプレーンヨーグルトと甘味料をハンドミキサーにかけてジェラードにして毎日食べている。暑い日が増えたので、こちらも、極めて美味しい。

「Bing Image Creator」の上位、有料で商用可能な「DALL・E 2」のクレジットを買った。しかし、生成画像が稚拙すぎて使い物にならない。著作権摩擦を起こさないために、学習素材を著作権が切れたようなフリー素材に絞ったからだろう。

「Bing Image Creator」以外に高度な画像を生成する有料の生成AIがいくつもあるが、それらは世界各地で作家から著作権侵害で訴えられている。マイクロソフトはその諍いを避けて、稚拙だがフリーな素材を使っているようだ。だから、商用不可に決めたのは良い判断だ。商用不可にしたおかげで「Bing Image Creatorr」は使える素材が膨大になって、とても良い画像が生成されている。

私が生成AIを使うのは、制作用の資料・素材作りのためだ。
実際の制作では自分のスタイルへ、素材や細部から構図まで大幅に変更させて手描きする。だから、誰かの著作権に抵触することはない。
これからの生成AIは、自分の作品を全て読み込んで自分のスタイルを学習し、自分に代わって自分の作品を生成するように進化するはずだ。

「Bing Image Creatorr」で生成し、Photoshop加工した画像5点。

朝のリレー   谷川 俊太郎

A_1

カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき

A_3x

メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている


A_4x_20230603152201

ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき


A_5x_20230603154101

ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする


A_6x

この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ


Ma_3

Ma_4

Ma_5

Mas

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