« 未経験の素人でも、有能な映画監督・舞台演出家・オーケストラ指揮者・編集者等になれる時代。2023年5月23日 | トップページ | 生身が発する声がアートだ。谷川俊太郎「朝のリレー」を生成AIで画像化。新ラッキョウの季節。2023年5月30日 »

2023年5月25日 (木)

新幹線は、世界が目指す社会の象徴だった。2023年5月25日

日本経済のバブル崩壊後30年の低迷の原因は以下のようなことだ。
・・政府・日銀の間違った円高政策により、円は1ドル79円まで高騰した。
その結果、輸出依存企業は苦境に陥り、その打開のために中国など海外に進出して国内産業は空洞化した・・

低迷の原因はそれだけではない。
バブルが崩壊した頃、私は熟年真っ盛りで、知人の多くは産業界で成功していた。
私たちは戦後ただひたすら経済拡大を目指していた。しかし、敗戦後の瓦礫から日本を再建して行った図式は、バブル崩壊後の立て直しには通用しなかった。なぜなら、日本人はすでに豊かさを手中にしていていて、今より豊かな社会への飢餓感がなかったからだ。
それでも、さらに奮い立つには、麻薬のような不健康な刺激が必要だった。刺激とは人生を100回繰り返しても使いきれないお金とか、ゴミとして捨ててしまうほどの大量の食物とかだ。

バブルが崩壊した時、日本人の価値観は大変換するかもしれないと感じた。バブルに狂乱した時代は、どう見ても日本の伝統とは異質で居心地が悪かった。私は直感的に、日本人の価値観は伝統的な「わび・さび」に戻ると感じた。「本当の幸せは大量消費ではなく、伝統的な深い精神性によって得られる」と、多くの日本人が思った。

バブルまでは、隣が車を買ったら我が家も負けずに購入した。
隣がハワイ旅行へ出かけたら、我が家はパリ旅行へ出かけた。
あの頃の贅沢や消費はいびつで、病んでいた。
バブル崩壊はそれらの異常性からも解き放ってくれた。あの頃から日本人の多くが隣のことをあまり気にしなくなった。自分の真の生き方を模索し始めた日本人に「Simple is Best」の言葉が深く心に染み入った。

コロナ後、日本へ押し寄せている海外旅行者たちの多くが「安全と優しさと清潔、多様性のある深い文化」と日本を高く評価する。「彼らが日本に旅行するのは物価が安いからだ」と言う者がいるが本質がずれている。
それを象徴的に表しているのが新幹線だ。フランスや中国などの海外高速鉄道はスピードを重視し、安全と心地よさを後回しにした。確かに新幹線より早く走ったが、車体は揺れ、騒音も大きく安全性も劣っていた。

「母国の高速鉄道は早いけど激しく揺れて騒々しく、車酔いをして食事をする気にならない。それに対して新幹線は静かで揺れも少なく、気持ちよく美味しい駅弁を食べることができる」フランス人とドイツ人のカップルがユーチューブで話していた。

この20年で、日本と海外の価値観は大きく食い違った。なぜなら、日本はバブル崩壊後、スピードや量ではなく、ひたすら心地よさや安全や清潔を重視してきたからだ。それは伝統的な「わび・さび」の静かな心地よさへ、日本人が回帰したからだと思っている。
「さび」は海外では劣化とみなす。しかし日本人は、変化が織りなす独特な美しさと感じている。そして「わび」は、古びた趣を楽しむポジティブな心だ。

以上を経済に当てはめると、30年の低迷した意味が明快に分かる。30年間、日本人は何もしなかったわけではない。ただひたすら、どうやったらみんなが楽しめるか、ひたすら考え配慮し続けて、今の「安全と優しさと清潔、多様性のある深い文化」の社会を作り上げた。それは海外から眺めると異常に突出した社会だ。しかし今、それこそが世界が目指すべき社会だと、多くの人が思い始めている。

先日、今の上海を写す動画を見た。
街には信じられないほど、日本食品や、平仮名・カタカナ・東京・北海道・博多などの地名があふれていた。そのほとんどは中国人経営で、日本人が大量侵出している訳ではない。さらに、エレベーターの片側に立つ日本の風習も受け入れていた。それは上海だけでない。近年世界各地で日本文化が再評価されているように感じる。

今まで世界が目指していた経済は、大量生産大量消費によって温暖化を招き、地球を破壊していた。
その対極を目指していたのが日本だ。30年間の低迷と安易に揶揄する風潮は、脱炭素と大騒ぎしている環境運動とおおきく矛盾している。なぜなら、日本は高品質の製品を大切に使おうとしているに、世界はそれに逆行しているからだ。
人の移動に関しても、電気を使った公共交通を使い、自動車でも重い大型ではなく省エネの小型車を使っている。世界がこれから目指すべき姿は「節約と安全と優しさと清潔。そして多様で永続性のある文化」の日本モデルにあると思っている。

それは19世紀後半に欧州で起きたジャポニズムに似ている。当時の主役は浮世絵だったが、今回の主役はアニメ・ゲーム・食べ物・清潔・規律・思いやりと極めて多様で、今、第二のジャポニズムが起きているように感じる。

最近、耳にすること。
「いつもマスクをしていたせいで口元付近がたるんでしまった」
顔は人目に晒されることで引き締まるようだ。

「Bing Image Creator」を使い込み、コツを飲み込んできたので、同系列の上位、有料で商用可能な「DALL・E 2」を契約しようと思っている。こちらは印刷に使える解像度が得られる。

Image Creatorで生成した画像。
画像生成AIは極めて緻密に描く反面、稚拙で雑だったりする。
私には、その雑なところがいい。
なぜなら、手を加えて私独自の作品に変えられるからだ。

以下の全ての画像はホトショップ加工してある。

「どこでもドア」
「ハーレーダビットソン-1」
「ハーレーダビットソン-2」
L' Amant
「午後の陰りに 酒と薔薇」
「ダゲール街」
「午後の陰りに 酒と薔薇-2」
このプロンプトは二つ上の薔薇と似ているが、バラの色を指定しなかったら清楚に描いてきた。
「バレーレッスン」
「UFO・東京上空を通過中」
「小雨の横浜港」

M_1_20230525104001


M_4_20230525104001


M_5_20230525104001


M_2_20230525104001


M_6_20230525104001


M_7_20230525104001

M_8_20230525202201


M_9_20230526114101


M_11_20230526205201


M_2_20230527154201  

Ma_3

Ma_4

Ma_5

Mas

|

« 未経験の素人でも、有能な映画監督・舞台演出家・オーケストラ指揮者・編集者等になれる時代。2023年5月23日 | トップページ | 生身が発する声がアートだ。谷川俊太郎「朝のリレー」を生成AIで画像化。新ラッキョウの季節。2023年5月30日 »