レトロ感漂う都営桐ヶ丘団地商店街の遊具。2023年7月29日
「都営桐ヶ丘団地の商店街に今もある、60年以上前に設置された遊具」
驚くことに今も壊れず正常に機能している。
時折、幼い子供がお金を入れて起動させ、遊んでいるのを見かける。
昭和の道具は本当に頑丈で壊れないように作られている。
このタイムスリップしたような寂れた街に行くと、昭和の思い出が次々と蘇る。
20代の頃、埼玉の大地主のお嬢さんと付き合っていた。
大柄でおおらかな優しい人だった。
何度目かのデートの時、
彼女は札束が詰まったワニ革の財布を渡した。
「デート費用はこれでと、お父さんから渡されました」
私は内心「ワニ革はないだろ」と思いながら財布を返した。
今の有名ブランドのクロコダイルとは違う昭和のワニ革である。
その成金趣味が、私はどうしても許せなかった。
若さにはそのような偏狭さがある。
それをきっかけにして、程なく彼女と別れた。
今思うと、おおらかで優しくて経済力のある彼女は最高の伴侶になったはずだ。
もし、ワニ革ではなく、普通の財布だったら、
私の人生は変わったかもしれない。
しかし、そのような恵まれた環境では良い作品は生まれない。
それはそれで、とても辛い。
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