太陽がオッパイ 2023年7月8日-5
「太陽がいっぱい」はアランドロンの名作だ。
昭和37年の夏休み、芸大受験を目指して絵は日に4.50枚は描いていた。
しかし、勉強は一切しなかった。
毎日、15キロ離れた青島海水浴場へ自転車で出かけ、1日中泳いでいた。
ちょうどその頃「太陽がいっぱい」が大ヒットしていた。
海水浴場沖合には、ヨットに仕立てた宣伝用の漁船が停泊していた。
帆には「太陽がいっぱい」と赤文字が書きなぐってあった。
私は船上にのぼって、熱いデッキに寝転がり「太陽がオッパイ」と訳のわからないことを太陽に向かって叫んでいた。
おかげで真っ黒に日焼けして、翌年春上京した時は黒人と間違われたほどだ。
受験は一次の学科で落ちて実技試験へたどり着けなかった。
私は理系は得意だったが、受験科目は国語・英語・社会の暗記科目だけだった。
芸大卒の肩書きが欲しかっただけなので未練はなく、再受験はしなかった。
学ばなくても、すぐに絵描きになれると信じていたからだ。
しかし、現実は厳しく、実現まで30年近い年月を要した。
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