« AGIにより牧歌的テクノロジー賛歌は終焉に近づき、米国ではホワイトカラーの熾烈な選別が始まった。2023年6月19日 | トップページ | 別れ話 2023年7月8日-1 »

2023年7月 1日 (土)

母の十三回忌。2023年7月1日

仕事の締め切りがいくつか重なっていて、ブログを書く時間がなかった。
夏が終わるまで休む間はない。

老いてから長く眠ることができない。
必ず4時間で目覚めてしまう。
最近では諦めて、雑用を済ませ、それから二度寝するようにしている。

二度寝では、環境音を聞きながら眠る。
最近は「ひぐらしと夏の音」を選ぶ。
夏の自然の音は懐かしくて心地よい。

3日ほど前、二度寝の夢の中に、昔、好きだった女性が現れた。
「お母様が正喜さんの電話番号を教えて欲しいとおっしゃっていました。
それで、新しい電話番号を教えてさしあげました」

母が死んでから間もなく光回線に変え、同時にIP電話にした。
「IPの電話番号を、母に教えてなかったようだ」
夢の中で思った。

すぐに母から電話が入った。
電波が弱すぎて、母の声は不鮮明で聞き取りにくい。
一生懸命に聞き取ろうとしていると、ふいに目覚めた。

7月1日の母の命日が近かったので、そのような夢を見たのだろう。
「もしかして、あの人も逝ってしまったのだろうか」
目覚めてからしばらく、胸騒ぎがした。

 母逝きて 緑陰深し 蝉時雨

今日、母が親しくしていた人の訃報の葉書が届いた。
亡くなった時間は、夢の中で母が電話をした頃だ。
「Eちゃんが、こちらへ来たよ」
母はそう話したかったのだろう。
母の口調が明るかったのも、
向こうの世界が賑やかになって、嬉しかったのかもしれない。

M_75

「緑陰と蝉時雨」個人蔵。
絵は母をリハビリに連れて行っていた赤羽自然観察公園を描いたものだ。

M_32

「夏・白昼の広場」地方の総合病院蔵 
この絵はなぜか人気がある。

・・白く輝く広場を 風鈴売りが過ぎて行った。町は海に近く カモメの声が かすかに聞こえた。高校の校庭からは、野球練習の 若者たちの掛け声が聞こえた・・

風はいつも話しかけていたのに
若い私は気にも留めなかった

遠く過ぎ去った夏の木陰
家族と暮らした海辺の町
妻と踊ったダンスホール
子供たちと遊んだメリーゴーランド

風はいつも優しく私たちを見守っていたのに
若い私は 何も気づかなかった

今からでも 立ち止まって 耳をすませてみよう
風はいつでも 忘れていた思い出を 蘇らせてくれる

M_46

「神聖なもの」

すべて この地上にあるものは
わたしたちにとって 神聖なもの
松の葉の 一本 一本
岸辺の砂の ひと粒 ひと粒
深い森を満たす霧や
草原になびく草の葉・・・

「父は空 母は大地」寮 美千子 文 篠崎正喜 絵
ロクリン社版

7年前の絵本だが、突然に増刷が決まり7月15日に再発行される。
7年間忘れられていたと思っていたのに、
熾火のように小さく燃え続けていたようだ。
とてもありがたい。

M_6_20230701233401
「先に逝った姉と兄と両親と祖母と、

カラスに捕食されたツバメのヒナたち」
年齢は享年。この中で生きているのはスケッチしている私だけだ。

エレベーターホールにツバメが巣作りして抱卵中だ。

7年前にも同じ場所にツバメが巣作りをした。
その時は5月5日が巣作り始めだったので、今年は1ケ月以上遅い。
今回、こちらに巣作りを始めたのは、近くの小学校で衛生上悪いと巣を撤去されたからだ。

前回、巣に丸い頭を並べて、こちらを眺めているヒナたちは実に可愛いかった。
しかし、1ケ月後、巣立ち前のヒナ4羽すべてが、カラスに補食されてしまった。ヒナを失った親ツバメたちは、その辺りをしばらく鳴きながら飛び回っていた。
今回は子育てがうまくいってほしいと願っているが、気がもめる。

このあたりのツバメは荒川河川敷の泥を巣作りに使う。しかし、荒川の泥は砂が多くて脆い。それで、今回の親ツバメたちは枯れ草を多く混ぜて補強しながら堅牢で美しい巣を完成させた。もしかすると親ツバメたちは、小学校の巣が無くなったのは作り方が悪かったからと反省しているのかもしれない。決して人を恨むことがないツバメたちは、健気で哀れだ。

ちなみに、砂が多い泥は鋳物の型に適している。
それで対岸の川口市に鋳物工場が増えたと聞いている。

今回の抱卵中のツバメを、夜、様子を見に行くと、巣の中から丸い頭を出して私を眺めた。
その仕草を見ると、なぜか切なくなる。
だからと言って彼らを捕食しようとするカラスを憎んではいない。
すべて、生態系の中での出来事だからだ。

とにかく、うまく子育てを終えて欲しい。
巣の真下に広い防水紙を敷いて、テープでしっかりと留めた。
落ちたフンや泥は、日に3回掃除している。
それはツバメ嫌いの住人たちからの抗議を抑制するためだ。

Ma_3

Ma_4

Ma_5

Mas

|

« AGIにより牧歌的テクノロジー賛歌は終焉に近づき、米国ではホワイトカラーの熾烈な選別が始まった。2023年6月19日 | トップページ | 別れ話 2023年7月8日-1 »