上野・池之端・梅雨の晴れ間。完璧な着付けを少し崩すのが粋 2023年7月9日-1
上野・池之端を風に翻るスカートをまったく気にせず、ママチャリの若い女性が颯爽と過ぎて行った。
まるで昔のフランス映画の1シーのように見えた。そしてそこだけ、眩しい夏日差しを感じた。
この界隈は、江戸風のキリッとした切れ味の良い女性が多い。
関西のはんなりした女性も良いが、東京の小股が切れ上がった女性も素晴らしい。
粋は、きちんと着付けたものを少し崩すと生まれる。
若い頃、散髪したての髪で下町の材木問屋の社長と飲んだ時、
「散髪したてに見えるのは野暮だ。少し崩すといいぞ」
と言われた。
その言葉は歳を重ねるにつれ、よく理解できた。
クリーニング済みのワイシャツは少し動いてシワがよると粋になる。
先日、NHKの「映像の世紀」で、チャーチルを取り上げていた。
英国貴族の彼は粋な政治家で知られている。
確かにホーマルな服装の時もちょっと着崩し、
シルクハットも微妙に傾いていた。
アイロンがかかった服も、ウイスキーや葉巻の灰でちょっと汚れているように見えた。
だから粋に見えたのかもしれない。
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