60年ぶりに見た「黒いオルフェ」2023年8月12日
「黒いオルフェ」を60年ぶりに観た。
この映画をきっかけに、リオのカーニバルが日本で認知された。
強烈なサンバの印象が強い映画だったが、今見るとしっとりとした情感を感じる。
監督マルセル・カミュ。1959年のフランス・ブラジル・イタリアの合作映画。
第12回カンヌ国際映画祭・パルム・ドール。
第32回アカデミー賞・外国語映画賞を受賞。
テーマ曲が日本でも大ヒットした。
ギリシア神話のオルペウス(オルフェ)とエウリュディケー(ユリディス)の物語が土台。
それをブラジル・リオデジャネイロに移しかえたものだ。
カーニバルを控えるリオのファヴェーラが舞台となっている。
神話---オルペウスは死んだ愛する妻を求めて冥界を訪ねる。
冥界の王ハーデースに許されて妻を現世へ連れ帰ろうとするが、
約束を破って妻を振り返ってしまい、妻は冥界へ戻ってしまう。
「振り返ってはならない」
「千と千尋の神隠し」でも千が異界から戻る時、ハクに言われた。
千は約束を守って振り返らず、現世へ戻ることができた。
「振り返ってはならない」
この言葉の意味はとても重いのかもしれない。
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