彫刻公募に応募しなくなったわけ。今日は素晴らしい秋の好天。2023年10月16日
「街の子」錫で作った高さ50cmの模型。
彫刻公募展の大賞選考で、国際的な著名作家と決選投票になり敗れた。
野外彫刻を始めてすぐの頃で、実際の制作現場のことをまったく知らずに応募した。
彫刻の公募では模型が審査される。
実製作は川口あたりの鋳物工場でアルミで作り、美術専門の溶接所で組み立てることになる。
公募展の野外彫刻制作は多大な費用がかかり、公募団体が出してくれる費用では足りず、赤字になることが多い。
作品によっては数千万の赤字を出すことさえある。
それでも彫刻家が挑戦するのは、受賞歴があれば、彫刻の受注が容易になるからだ。
この寸前に別の賞を取っていた。
その時、製作費用の大変さを思い知った。
だから決選投票で負け、賞金だけ貰える次点で心底喜んだ。
画像の模型製作は、集合住宅の部屋で、階下に音が響かないよう布団を敷きその上を分厚い木綿のキャンバスで覆って作業をした。
クレーンを備えているような彫刻工房なしでの製作がいかに無謀か、その経緯で分かった。
そのような訳で、これ以降、野外彫刻への応募は一切やめた。
先日の美術館での講演で喋りすぎた。
今は自己嫌悪に陥っている。
これから1ヶ月は誰とも話したくない気分だ。
誰かと会話しなくても絵描きは成り立つ職業だ。
絵描き仲間は本当は無口だが、人と会うおしゃべりに熱中してしまう。
滅多に人と話さないから、外の人に会うと纏めて話してしまう傾向がある。
上越に出掛けた反動で、無闇に出かけている。
今の東京は素晴らしい。
今日は素晴らしい秋の好天だ。
渋谷も浅草も海外観光客で溢れているだろう。
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