こんな部下は嫌だろう。2023年10月11日
「ボクの上司」昔の絵。私には上司というものがほぼいない。
彫金をやっていた頃は師匠と弟子の関係だったが、私は超生意気な弟子だった。
「あいつは俺に何も聞かない。なんでも教えてやるのに」
師匠がぼやいていたと人から聞いたことがある。
昔の師弟関係で「師匠が何も教えてくれない」と嘆く弟子が多い。
私は逆だった。
「聞かなくても師匠の仕事を見ていれば、どうすればいいか分かるだろ」
そう思っていた。
ただし、分かっていても実行できなかっただけだ。
いつも寝過ごして、師匠が仕事を始めている頃に出勤した。
それから奥さんの作ってくれた朝食を食べた。
そこでもとんでもない弟子だった。
「海苔の焼き方がなっていない」「味噌汁が濃すぎる」
容赦無く奥さんの手料理に文句を言っていた。
仕事場では師匠が苦虫を噛み潰しながら仕事をしていた。
でも奥さんは「美味しい」とか「不味い」とかはっきり言ってくれる私が嬉しいと言っていた。
そんなわけで、私が独立した時、師匠は心底ほっとしたはずだ。
だから、絵の題名は「わけのわからない部下」に変えたが良いかもしれない。
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