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2024年2月19日 (月)

究極の人の救い、サードマン現象。2024年2月19日

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老朽化したロシアの宇宙ステーション・ミール。
乗組員はロシア語ができない米国人宇宙飛行士ジュリーと英語の話せないロシア人二人。
彼らはガラクタ宇宙ステーションで五ヶ月間を過ごした。

コミュニケーションが殆どできない状況で、船内火災、補給船とのニアミスなど次々と重大事故が起きた。
米国人宇宙飛行士ジュリーは心身共に疲れ切って、絶望的な孤独に晒されていた。
彼を救ったのはサードマン現象だ。船内のランニングマシーンで走っていると、突然に死んだ父親が現れた。

「お前は立派にやっているじゃないか。
私は子供の頃からの夢を果たしたお前を誇りに思っている」
父親の声を聞いた瞬間、彼は孤独感が消え不思議な安らぎを感じた。
それからは、厳しい宇宙生活を穏やかに受け入れられて無事に帰還できた。
彼は科学者だが、父親の姿で守護天使が現れたと確く信じている。


脳科学者によると、不安を抱えて散歩などの単調な運動をしていると右脳が刺激され、サードマン現象が起きやすい。10人に1人は生涯に一度はサードマン現象を経験する。実験では側頭頭頂接合部や右脳へ電気刺激を加えると、多くの人がサードマン現象を経験する。
私も散歩中、先に逝った両親や兄姉たちが現れて話しかけてくれることがある。死んだ人と話していると不安が消えて安らぐ。

サードマン現象として、シルクロード探検隊のタクマラカン砂漠での遭難がある。
隊の飲み水が底をつきて死を覚悟した時、隊員の一人に小鳥の鳴き声と水のせせらぎの音が聞こえた。彼は最後の力を振り絞って辿って行くとオアシスがあった。
彼はたっぷり水を飲んだ後、長靴をバケツ代わりに水を汲んで、足跡を辿り仲間の元へ引き返した。
驚いたことに仲間までの距離は10数キロはあった。瀕死の状態に彼の右脳のサバイバル能力が起動し、非常に微少な音を聞くことができたようだ。

右脳が刺激されると空間認識感覚を失う。
あたかも自分の魂が肉体から遊離したように感じ、自分自身を眺めることができる。
右脳には、そのように体外離脱の錯覚を生み出す。


ちなみに人の脳は死亡後・数時間は働いている。
殊に聴覚・触覚はしばらく生き残り、奇跡的に生き返った人が、自分の遺体の回りで交わされた会話を覚えていたりする。だから、死んですぐの肉親の手を握り優しく話しかけることは大切な別れ方だ。

2010年の4月30日に画家の宮トオル氏が死んだ。宮氏の未亡人は、彼が死ぬ前に涙を一筋流したと話していた。それを聞いた時、この世との惜別の涙だと思ったが今は違う。その時、先に逝った大切な人がサードマン現象によって現れ、彼は嬉しくて涙を流したのだと信じている。

宮氏の死んだあとの7月1日に私は在宅で母を看取った。
母も死の2日前、ハラハラと涙を流した。
その時、母は大好きだった祖父か早世した長兄たちが現れたのだと思っている。
だから私が死に瀕した時、先に逝った両親や兄姉たちが現れ、死の苦しみを和らげてくれると信じている。


信仰心が篤い人ほど、このサバイバルシステムは起動しやすい。
多くの宗教儀式や修行は、古代から人々が体験したサードマン現象から導きだされたものだ。

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