意識は自分の死を認識できないので自分の死は存在しない。2024年2月23日
少なくとも宇宙は二つある。自分の外にある形而下の宇宙と自分の意識にある形而上の宇宙だ。もし意識を解明できたら、人は永遠の生を得て、死から解放される。
子供の頃、鏡に映る自分を自分だと確信できなかった。鏡に映る自分が他人に思えてしまうこともあった。それが意識について考え始めたきっかけだ。
意識は広大で、地球も、太陽系も、宇宙も全てを包み込んでしまう。
人の意識については先端脳科学を使っても解明は難しい。英国の物理学者ロジャー・ペンローズは量子脳理論などで試みているが、解明したとは思えない。その理由は数式化できない哲学を含む対象だからかもしれない。
宇宙は相対性理論から量子物理学まで模式的に解明は可能だ。対して誰でも身近にある意識は神秘的な謎に満ちている。
それでも人は意識のことが分かっていると思い込んでいる。しかし、本気で確かめようとすると、何も分からなくなってしまう。
時折、意識を包み込む大きな存在を感じることがある。
もしかするとその時、人は神を感じているのかもしれない。
もし意識と外の宇宙全てを覆い制御するものがあるとすれば、それが神なのだろう。
意識が外の世界を知る都度、意識は外の宇宙を入れ子状態に包み込んで行く。
自然の彩りを意識が包み込めば、豊かな生の意識を作り上げる。
意識は自分の死を認識できない。だから自分の死は存在しない。
生の心地よさは、意識が外の自然などを包み込むことで生まれる。春の野山が美しいのは、意識が季節を包み込んでいる生そのものだからだ。
意識の外の宇宙は無限だ。無限な宇宙の中を探せば、何から何までまったく同じ地球を無限に見つけることができる。そして、同じ地球には自分と全く同じ自分がいて、まったく同じ人生を送っている。
もし無限にある地球の中から、10年先の時間を行く地球を選べば、自分の十年先を見ることができる。
自分が死んだ先も、100年先も、いつ地震が起きるかも、全てを見透すことができる。無限な宇宙とはそう言うものだ。
宇宙に終わりはない。やがて星々は消え原子は素粒子レベルに破壊され拡散し、真っ暗で冷たい広大な世界が永遠に続く。
その素粒子が一点に収縮して、再びビックバンが始まると考える学者がいるが、どうやらそれは起きないようだ。
今は、永遠に暗く冷たいままだと考える学者が多い。
もし、永遠に生き続ける人がいたとしたら、その人はやがて真っ暗で冷たい宇宙を永遠に漂うことになる。
だから、永遠の命ほど残酷なことはない。
外側の宇宙と比べて、意識の宇宙は彩りに溢れている。自分の死は外側の宇宙での出来事で、意識の中では自分の死を認識することはできない。もし意識を正確に解明できたら、人は永遠の豊かな生を獲得できる。
意識は通俗的なものだ。なぜなら人が通俗的だからだ。
それで今回は通俗的で神秘的な天使の絵を選んだ。
| 固定リンク