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2024年2月 4日 (日)

日本の民度を支えた無名の人たち。2024年2月4日

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仕事が厳しい時は順調な人が羨ましくなる。
健康を損なうと健康な人ばかりに目が行く。
失恋した時は、仲のいい男女が気になる。
凡人はいつも何かを羨んでいる。
仕事で成功したとしても次は健康が不安になる。
健康に問題がなければ、災害とか孤独とか次々と滅多に起きないことを心配し始める。

そんなことを考えていたら、子どもの頃可愛がってくれた近所のお貞さんを思い出した。

彼女は当時60代だった。
家業は漁師で、裏で小さな畑を耕したり、天秤棒で魚を担って農村部まで売りに行っていた。
勤勉で寡黙で、母はあれ程優しくて強い人はいないとよく話していた。


当時は敗戦直後の食糧難時代で、私の小さな漁師町にも食料を求める人達が町からやって来た。
ある日、お貞さんが作っていたカボチャが採られ、その蔓にお金が結びつけられていた。
「お金なんか気にしないで、黙って持って行けば良いのに」
お貞さんはその人を深く同情していた。

後年、お貞さんに体の不自由な孫が生まれた。
しかし、愚痴一つ言わず、いつも背負って可愛がっていた。
運命を決然と受け止めていたお貞さんを今眩しく思い返す。
昔はどの土地にも、実直で無学だが高潔な哲学を持った老人が普通にいた。
彼らは名を残すことなく生涯を終えていた。

今日本の民度は世界から称賛されている。
それは無名の人たちが黙々と作りあげたものだ。

画像・赤羽自然観察公園の古民家。
古民家は生活をしないと壊れて行く。
そのために毎日、このように竈でお湯を沸かす。
薪は公園の間伐材。
竈の煙で古民家の茅葺き屋根を裏から燻して害虫を防ぎ、崩壊を防ぐ。

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