スクランブル交差点は人種の坩堝。2024年3月30日
金曜は午後から20度超え。少し汗ばみながら渋谷へ出かけた。スクランブル交差点は楽しい。1時間立っていても退屈しない。周りから聞こえてくるのは外国語ばかり。植え込み脇の金属パイプの簡易ベンチに腰掛けお茶のボトルを飲んだ。とても美味しい。
目の前のラテン系の中年女性たちは、スマホで交差点を囲むビルのスクリーン広告を熱心に撮っていた。彼女たちの向こうでは、自称競馬予想屋芸人が若い女の子二人相手に紙芝居を熱くやっていた。
突然、ヤマンバがロスゴリへ進化した不思議な衣装の女の子二人連れが現れ人混みの中へ消えた。二人は頭抜けて目立っていた。
頭上を次々と巨大な旅客機がすぎて行く。周囲の広告スクーリンの近未来の映像とクールな音楽。一瞬、スターウォーズのチャルマンの宇宙港カンティーナへ迷い込んだ気分になった。
でかい人に小さい人。浅黒い肌に白い肌にアジア系、アフリカ系、ラテン系と全世界の人種のカオスだった。時たま聞こえてくる日本語でさえ、外国語に錯覚しそうになった。
ひらめいた画像を描きたいが渋谷は適当な喫茶店がない。NHK方面へ、空いている喫茶店を求めて歩いた。やっと空いている店を見つけて入ったが現金支払いのみ。仕方がないのでスイカでカフェラテ650円を頼んだ。
広いテーブルの明るい場所を選んで腰掛けた。今回の絵を描き始めたが、店はお洒落すぎて手元が暗い。おまけにカフェラテが超不味い。さっさと飲み干して店を出た。
久しぶりに原宿へ向かって歩いた。国立競技場を抜けたかったが、今は夜は入れない。途中の高さ15メートルほどの城壁みたいな石垣。60年近く前、岩登りが大好きだった友人がスルスルと登って行ったのを思い出した。彼はその後、ヒマラヤの7000メートル級の未登頂の山を単独行で登った。
5年ぶりに竹下通りへ行った。買い物目的の女の子には楽しい街だが、私には魅力がなかったのですぐに帰路についた。
改装した原宿駅は初めてだった。山手線は電車の異常音点検のため電車が停車したまま。遅れに遅れ、やっと池袋へ着いても、埼京線も異常音で止まっていた。
スクランブル交差点は素晴らしかったが、他は全て散々な1日だった。これからも明治神宮へ行くことはあるが、青山方面は二度と行くことはなさそうだ。
都内を10点満点で魅力度をランクずけしてみた。
丸の内、浅草、アメ横、スクランブル交差点は満点。
銀座、新宿は9点。
渋谷の街、池袋、地元赤羽は8点。
先日、昭和24年制作の「銀座カンカン娘」を観た。
まだ若い志ん生が出ていた。若い頃の彼は面長ですこし驚いた。出来の悪い娯楽映画だが、若くて可愛い高峰秀子と笠置シズ子が出ていた。
映画に登場した八百屋の店頭価格のフダが興味深い。スイカは1個30円。それで換算すると当時の額を30倍したのが今の価格になる。値段フダは見事に墨書されていた。当時の商店主は墨書の才が必要だったようだ。
映画中に撮影現場が登場した。そのエキストラ日当は300円。今なら9000円といい額だ。当時の映画産業は勢いがあったので、簡単な仕事にもそれだけ支払っていたのだろう。
劇中で笠置シズ子と高峰秀子は銀座のクラブのアルバイトで「銀座カンカン娘」を歌った。そのアルバイトで、二人は月に10万稼いだ。それは今の300万で、アルバイトとして破格の額だ。ちなみに当時、知人は十条の建売住宅を即金で26万で買った。
今日も暖かい。上野公園のライブカメラでは、桜は薄く開花していた。
4月10日辺りからが見頃だろう。
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