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2024年4月22日 (月)

富の偏在こそ不都合な真実。2024年4月22日

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富は海水のようなもの 飲めば飲むほど のどが渇く・ショーペンハウアー。
富の偏在を解消すれば労働者報酬が増え、必要エネルギーが減って炭酸ガス排出量は減る。しかし、収益を減らしたくない富裕層は環境活動家を動かして抵抗する。その矛盾が露呈したのが、欧米におけるEV化政策の挫折だった。

重商主義では国家がお金を独占するのが正しいとされていた。それへの批判としてアダム・スミスの国富論が生まれた。
アダムスミスは労働に対する報酬によって国民は幸せになり、国家も豊かになると考えた。

国富論から200年を経て様々な経済論が生まれた。しかし、どれも国民を幸せにしなかった。それどころか、グローバル経済により先進国の国内企業は空洞化し、ワーキングプアやブラック企業を生み出し、資本主義経済は疲弊した。

近年、世界の最富裕層100人足らずの資産総額が世界人口の半分40億人分と同額に達している。
例えば米国では、リーマン・ショック危機後の2009〜12年の成長期に下層階級90%は経済的に苦しくなった。
上位1%の富裕層は成長期に生まれた利益の95%を独占してしまい、その歪な状況はコロナ禍を経た今、更に悪化し続けている。

前回投稿したが、米国のホームレスの4割は働いているのに高騰した家賃を払えず路上生活に陥った。その中に家族持ちも含まれているのは極めて悲惨なことだ。
今後、累進課税などの有効な手を打たない限り、経済格差は開くばかりで、世界経済は富裕層によって崩壊させられることになる。

経済学者ピケティは1%の階層が利益の95%を独占することに合理性は全くないと言っている。
ピケティの理論では、株や不動産収入によって得られる資本収益は労働によって得られる労働収益を常に上回る。労働収益の総額が資本収益を上回ることは絶対にない。

金持ちは無能でも、努力せずにいつまでも金持ちで居られる。
しかし、下層労働者はいくら働いても下層から抜け出すことはできない。金持ちも貧乏人も、親から子、子から孫へと延々と相続され続ける。
その連鎖を断ち切るには金持ちに多く課税して、お金を貧乏人へ再分配するしかない。もし、現状のまま何もしなかったら、資本主義経済は崩壊し富裕層も大打撃を受けることになる。

米国では、富裕層の街は有刺鉄線で囲まれ、マシンガンで武装した屈強な警備員によって守られている。彼らは、自由で安全な生活を奪われても、千年かけても使い切れない莫大な資産の方が、幸せをもたらしてくれるとの妄想に囚われている。

経済の目的は、数字にではなく人間的な営み、共感、人の痛みが分かることにある。このまま富裕層が道義を忘れて富の独占を続けるなら人類は崩壊すると、多くの経済学者が警告している。

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