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2024年5月12日 (日)

桜を眺めると日本に生まれて良かったと思う。2024年5月12日

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熊野古道・早朝の果無集落。山里の桜は美しい。日本に生まれて本当に良かった。桜が美しいのは、枯れずに命溢れたまま散り終えるからだ。
桜を眺めていると、のぞき窓のように過ぎてしまった遠い光景が見えてくる。郷里のお寺境内での賑やかな花見の宴。
仲間たちと自転車で行った山里の桜。
今は若木に植え替えられた散歩道の桜の古木。
桜を見上げていると、過ぎてしまった光景や、死んだ人たちが目に浮かぶ。

エレベーターホールの燕の雛は孵ったようだ。
時折、親鳥が巣の底を覗いて雛の世話をしている。生まれたばかりの雛はとても小さく、外からは見えない。
糞はくわえて遠くへ捨てに行く。
親鳥はそうやって、カラスに見つからないように気づかっている。

巣の近くを通る時、鍵につけた鈴を小さく鳴らす。
その音で親鳥は私だと分かるので、のんびりと巣から顔を出して私を眺める。クルクルした瞳が可愛い。カラスに見つからず、平穏無事に子育てを終えて欲しい。

昨日の夕暮れの買い物途中、顔見知りのおばあさんに会った。
彼女は通り道のマンションに住んでいる。
会釈すると、立ち止まって笑顔になった。
「腰が痛くて、ノロノロして」
おばあさんは言い訳をしてから、そろそろとマンションへ歩いて行った。
以前は小綺麗なお婆さんだったが、最近、衣服の汚れが気になる。世話をしてくれる家族がいないのかもしれない。

よく会っていたお年寄りに突然に出会わなくなると、二度と出会うことはない。
コロナ前に病院下公園で立ち話しをしていた元公務員の94歳の老人とは、最近全く出会わなくなった。
だから年寄りに出会うと「一人で出歩けるのは後何年だろう」と考えてしまう。
そのうち私も、人から心配されるようになるのだろう。

歳を取ると諦めが良くなる。
どんなに強く「負けないぞ」と決意しても、現実は決意を簡単に打ち砕いてしまう。

画像は今年の4月8〜10日のネット動画から採取した。
「熊野古道・嵐の最高峰を越えて果て無き古道を歩く・小辺路」
で検索するとヒットする。真面目な青年の良い動画だ。

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