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2024年7月 8日 (月)

昭和花あらしー12 大正は終わり昭和へ洋装の時代。2024年7月8日

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「昭和花あらしー12」
昭和に入りました。
私は女学校へ進学しましたので、いっちゃんやおはなさんと会うことは少なくなりました。


いっちゃんは高等小学校を出るとすぐにゴム工場で働き始めました。
おはなさんは猪太郎さんの母親の世話を優しく続けていました。
働き手が増えたので、おはなさんの生活は少し楽になりました。

間もなく世界恐慌が始まりました。
その中で、甚平さんと義父が相次いで亡くなりました。
母は相変わらず人の保証人になっては不用な借金を重ねていました。

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甚平さんが医師にかかったのは亡くなる2日前からだった。
享年85歳だったが、頑健で1本の歯の欠損もなかった。
寝込んだのは1週間足らず。その寸前まで硬い肉を好んで食べていた。

義父は甚平さんに少し遅れて48で肝臓を痛めて死んだ。
「一回でも酒を飲んだら必ず死にます」と医師に言われていた。
しかし「死んでも構わない」と言って飲んでしまった。

看取ったのは母だ。
危篤の時、義母はお風呂に入っていた。
「危ないよ」と母が言うと「すぐ出るから死ぬのを待ってもらって」と湯船からのんびり応えていた。義父は義母がお風呂から出る前に、本当に死んでしまった。
義父の通夜から葬式は、遊び仲間が集まり芸者を呼んで、2日連続の火葬場まで続く大宴会になってしまった。

母の義母、私たちが祖母と呼んでいる人は、ものに動じる人ではなかった。しかし、雷と蛇だけをとても怖がっていた。
先日、東京が猛烈な雷雨に襲われた。
私はベランダから雷に見とれていた。
母も雷が大好きだった。
暗い豪雨の風景の中、いく筋も稲光が見えた。
その時、不意に雷を怖がっていた祖母を思い出した。
雷が来ると祖母は蚊帳を釣って中に入り「くわばらくわばら」と必死で唱えていた。
蛇も怖くて太めの紐が落ちているだけで怖がっていた。おかしなことに猫の尻尾も蛇みたいだと怖がっていた。どうしてあんなにモコモコした可愛いものが怖いのか理解できない。

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