小春じい3題。見えないことは考えるな。2024年7月30日
家賃滞納でアパートを追い出された小春じいのために、タマとポチが家を建てはじめた。
小春じい「国の土地に勝手に家を建てていのか」
タマ「俺たちは人じゃないから、人の法律は適用されないさ」
ポチ「公園の木に小鳥が巣を作るようなものだよね」
しかし、水道も下水も電気もない。
どうやって暮らすのか・・
これから考えてみます・・作者。
小春じいは機械式時計。
毎日、タマとポチが訪ねてきて頭のネジを巻いてくれる。
だから食事はいらないし水も飲まない。
水はむしろ機械が錆びるので避けている。
お茶は香りを楽しんでいるだけ。
パソコンはできない。
テレビも見ない。
だから、電気はいらない。
灯りは太陽があるからいらない。
暗くなったら眠るだけ。
小春じいの仲間ポチの父はオカメインコで母はペンギン。
しかし父のように歌えず飛べず、母のように泳げない。
ポチは劣等感の中で育った。
失業中の彼は突然に妻子に去られた。
「仕事がなくて、頭が禿げかかって、メタボだから捨てられてしまった」
ポチはそう信じているが真実は違う。
妻と子は愚痴っぽいポチの性格が嫌になっただけのことだ。
人は外見で嫌いになるより、性格が嫌いになることが多い。
ポチは多分、その真実に気づくことはないだろう。
ポチはいつも不安だった。
何故なら、まだ訪れないことを恐れすぎたからだ。
訪れていないことは考える必要はない。
今をしっかりと生きていたら、必ず素晴らしい未来がやってくる。
昔の友人の裕福な絵描きは今のことは疎かにして、老後のことばかり心配していた。
しかし、老後が訪れる前にがんで死んでしまった。
まず今をしっかりと生きて楽しむべきだ。
先のことは余裕があった時に、ほんの少し考えれば良い。
理想は人を迷わせ自由を奪う。
理想は時代によて変化する。
私が若い頃の理想生活はテレビと洗濯機と冷蔵庫があることだった。
今の理想生活はものから心に変化した。
さらに理想は変化する。
そのような確かではないものに人生を託するのは止めたが良い。
| 固定リンク