「昭和花あらし」表紙完成。2024年8月24日
奇しくも今日は亡き母の誕生日だった。
21年前、90歳母は新しい肝臓がん術式で世界最高齢を記録した。
母は80代に7回開腹手術を受け腹膜はボロボロで補強のためメッシュが入っていた。
だから切開場所がなかった。
執刀医はやもうえず脇腹を切って、手探りで6センチほどの肝臓がんを見つけ、ラジオ波で焼き切った。
それは難手術で、執刀医は幾度も母が自ら手術を断ってくれることを願っていた。
しかし、世界記録と聞いた母は俄然張り切り「思い切り切ってください」と執刀医に頼み込んでいた。
手術が終わった時、医師は血のついた手術着のまま「大成功しました」と大きな声で家族控え室に飛び込んできた。
その母は8年後の2010年7月1日に死んだ。
私はそれまで母の体力維持のため、雨の日も風の日も毎日3キロ離れた自然公園まで車椅子で母を連れて行ってリハビリさせた。
総計すると7000時間ほど車椅子を押したことになる。
ある日車椅子を押していると母は突然、大正7年・筑後川河畔での花見の宴でおはなさんが踊つつけていたシーンから思い出を話し始めた。その長大な思い出の記憶を「昭和花あらし」に纏めた。
それは絵を入れることで短略化することができた。
絵の数は54枚。
近く電子図書で出す。
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