敗戦直後のストリップショー。2024年8月26日
敗戦直後、郷里の漁師町には様々な芸人が豊富な食料を求めて漂着した。
高名な芸人も多くいて、4.5人の小グループで公演した。絵はストリップショーだ。
絵程度の露出なら今の渋谷あたりの素人娘の方が遥かに過激だ。
その中に何でも飲み込んで吐き出す若い女芸人がいた。
舞台化粧のせいもあるが綺麗な人だった。
彼女はガラスの破片、カミソリ、生きている金魚と口に入るものなら何でも飲み込んでそのまま吐き出してみせた。
その中に防水仕様の光っている電球を飲み込む芸があった。
明かりを消した舞台で彼女は電球を飲み込みパンツを下げた。
すると、下腹部あたりが赤く光り網目状の血管の影が見えた。
男たちは芸より、その艶かしさに固唾を飲んだ。
戦前の本マグロ漁での好景気の頃に、この地にゆかりのある大阪の興行主が贅沢に作った劇場だ。
本格的な歌舞伎が公演できるように花道と桟敷席が設けられていた。
柿落としには東京から高名な歌舞伎役者が呼ばれた。
私は無声映画からドサ回りの芝居まで、週に2回はその劇場を訪ねていた。
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