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2024年9月 6日 (金)

芙蓉が消え冷涼になった。貧乏は人生のスパイス。2024年9月6日

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満月の散歩道の芙蓉。
夏の盛りに現れ、花が消えると同時に大気は清涼となる。
まるで夏の精のようだ。

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かなり昔になるが、知人が脳梗塞で倒れた。命に別状はなかったが、半身に僅かな麻痺が残った。頑健な男で、映画やドラマの端役をしていた。八百屋や酒屋の親父役、やくざの使い走り、それらがはまり役だった。

しかし、役者だけでは生活出来ず、結婚式の司会や、ゆうパックの配達で稼いでいた。倒れたのは体力に自信があり不摂生が積み重なったのだろう。

脳梗塞以前に会ったとき、息子が高校野球のピッチャーで都の地区大会で優勝したと誇らしげに話していた。倒れた頃は、幸いにも息子は社会人になっていて親を助けられる歳だった。

軽度の脳梗塞だが、役者は記憶力が重要なのでこれからは大変だろうと思っていた。するとうまいことにCMで、ちょっとボケ気味の老人役が次々と舞い込んだ。
それから随分歳月が流れて、今やテレビは斜陽となりCM収入は激減した。オファーがある企業動画は健在だが、CMと比べるとギャラは10分の1以下だ。

見るからに頑健な者が突然倒れる。
運命の神様は、いつも思いがけない事をする。しかし、本人が気付いていないだけで、慎重に自分を観察すれば予兆はいくらでもある。
いずれにせよ、小春じいたちのような自堕落な生活は慎むべきだ。
しかし、自堕落な生活は楽しい。

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環八を横断して新河岸川河畔の遊歩道に出ると突然に騒音が消える。静かな川面にカモメが舞い、青空に白い雲がポッカリと流れて行く。ふいに遠い港町を訪れたような旅愁を覚える。私は赤羽以外では生活出来なくなった。
もし、隣の十条なら公園も病院も少なく道も狭い。

今回、小春じいは「貧乏は人生のスパイス」などと言っているが、良い環境があるからそのように思える。
先日、米国西海岸都市部の犯罪事情を見た。
例えば万引きの場合、被害が10万以下なら警察は犯人を逮捕してもすぐに釈放してしまう。もし、店員が注意して怪我でもさせられたら、店側は高額な補償金を支払うことになるので、店員は万引きを無視するように指導されている。
夜道は危険で歩けない。
公衆トイレは床も壁も糞便で汚れている。
公共交通機関の多くは悪臭に満ちている。
そのような環境では貧乏は苦しみでしかない。

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