9月下旬の酷暑の木陰でのお茶。1972年ソ連映画「惑星ソラリス」考。2024年9月20日
9月になったのに、まだ朝から暑い。
おばあちゃんと散歩していると、木陰でネコたちがお茶を飲んでいた。
ぼくはちょっと怖くなって、おばあちゃんのうしろにかくれた。
おばあちゃんが ネコたちに挨拶した。
「おや久しぶり。この子は私の孫なの。可愛がってね」
それからおばあちゃんは、何もなかったように散歩を続けた。
「惑星ソラリス」1972年ソ連映画・アンドレイ・タルコフスキー監督。惑星ソラリスは人の潜在意識を実体化する不思議な能力を持つ惑星だった。惑星の人工衛星プロメテウス内では乗組員たちが不思議な現象に遭遇して混乱した。
心理学者のクリスはその現象を解明するために派遣されたが、彼が眠ると自殺した妻ハリーが生き返って現れた。
それはソラリスの海が彼の心を読み取って再生したものだった。
哲学的で不思議なSFだ。
今回の絵は最後のシーンのソラリスの海が作り出した霧に浮かぶ一軒家からイメージした。
ちなみにこの絵は電子書籍「おじいちゃんのバス停」に使ったものだ。認知症が始まったおじいちゃんが夢見る、先に死んだ妻と暮らした家を描いた。
惑星ソラリスには、当時東京に建設された高速道路が未来都市として挿入されていたのが印象的だ。生き返る妻ハリー役ナタリヤ・ボンダルチュクはとても魅力があった。
「惑星ソラリス」の原作はスタニスワフ・レムの小説「ソラリスの陽のもとに」。2002年米国SF映画「ソラリス」としてスティーヴン・ソダーバーグ監督が2度目に映画化した。
派遣された心理学者役はジョージ・クルーニー。
妻役はナターシャ・マケルホーン。男顔の彼女より、私はタルコフスキー版のナタリヤ・ボンダルチュクの方が好きだ。
しかし、SFとしてはこちらもとても出来が良く、繰り返し観ている。
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