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2024年10月11日 (金)

倍賞千恵子の歌は日本語の発音が綺麗なので好きだ。2024年10月11日

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コーヒーを入れたのに飲むのをやめて外を眺めている。二人の心がすれ違う午後。そんな時は音楽を聴くといい。殊に日本語の優しい歌がいい。私が選ぶとすれば倍賞千恵子。それも50年前の録音だ。

彼女が歌う日本語の発音は美しい。
彼女が東京下町育ちだからだと思う。
島原地方の子守唄。わすれな草をあなたに。桜貝の歌。アザミの歌。下町の太陽。聴いていると高度成長期の東京が蘇る。

彼女の父親は都電の運転手だった。彼女は父親の思い出を楽しそうに語っていた。彼女は12、3歳の頃、童謡を歌っていた。
青山のレコード会社に通う時、滝野川から都電に乗って神保町で乗り換えて、青山通りから表参道を行った。
その時、父親の運転する電車に乗り合わせたことがあったようだ。
父親が運転する横に立って「ねえ、窓開けて」って頼むと開けてくれ、気持ちのいい風を楽しむことができた。
冷房がない時代だ。父親と可愛い少女のほのぼのとしたやりとりが見えるようだ。

50年前、ソニーからウオークマン発売されるとすぐに買った。
カセットサイズなのに、素晴らしい音質に驚いた。
その頃、彼女の歌をレコードからテープに録音して、ウォークマンで聴きながら荒川土手を散歩した。
川向こうの川口には、キューポラのある鋳物工場が並んでいた。
今その敷地は高層マンションに建て替わっている。
荒川土手はその後補強され、広々と拡張されたが、今も風景の美しさは変わらない。

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