フラッグセレモニーに見た、身を捨るほどの国・日本。2024年10月8日
「身を捨るほどの国・日本」今年1月、雪の赤羽駅ホームにて、その人は女友達と別れを交わしていた。抜けるような白肌に紅ルージュ。そこに和の美しさが凝縮されていた。
昨夜の映像の世紀は国境の壁の悲劇がテーマだった。とても重いテーマなのに、インド・パキスタン国境の"ワガ"で毎日行われるフラッグセレモニーが心をとらえた。
その動画を検索すると"みわ"と言う女性の「みわ旅」がヒットした。
彼女は目の大きなとても可愛い27歳の日本女性だ。
アクセス数はさほどでもないが、画質と画像のセンスがとても良かった。
彼女は3ケ月間、インドパキスタンを旅した動画を6本ほどアップしていた。
総時間は3時間を超えたが、私はそれを一気に観てしまった。
そして、まるで自分が旅したような感動が残った。
フラッグセレモニーはインド側で撮っていたが、立ち位置が悪くNHK番組ほどよくはなかった。しかし、観客として現場にいたような気分になった。殊にインド警備兵が連れていた軍用犬のシェパードに愛犬家の彼女が手を出すと、お手をしたのには笑った。
このセレモニーは互いの軍人代表が伝統的な大仰な見栄をきって「俺たちの方が立派で強い」とパフォーマンスをくりひろげるものだ。観光客に大人気で観客席は大盛り上がりだった。このような対立なら平和的で素晴らしい。
観光地としてはインドよりパキスタンの方が良かった。
シーク教徒の本山、ゴールデンテンプルの夕景は身震いするほど美しかった。
中国国境近くの桃源郷フンザの風景もしみじみとして良かった。
そして、長い旅からの帰国。
彼女は旅が終わったことの虚脱感を語っていた。
しかし、映し出された深夜1時半の羽田空港は異星世界と思えるほど美しかった。
彼女はローソンで、おにぎりやシュークリームなどのお菓子を買った。
ノリで巻いただけの塩おにぎりを口にした瞬間、美しい顔が崩れてしまうほど彼女は感激していた。
「このおにぎりの美味しさを味わったら、日本から離れて暮らせない」
彼女は小さく呟いた。
日本愛を彼女が言葉にしたのはそれだけだが、その気持ちが痛いほど伝わってきた。
今回、和服の女性を選んだのは「日本は身を捨るほどの国」だと思ったからだ。
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