気にしないと言っているのに気にしている、魔除けのお札。2024年11月29日
ポチは悩み深い。一つ片付けるとすぐに、次の悩みが生まれてしまう。小春じいは「悩みは幸せの入り口じゃ」と言っているが、ポチには当てはまらないようだ。
今回、ポチはゴジちゃんに毛生え薬を作らせて、毎日使っている。
妻子に捨てられメタボになっても、ポチは髪の毛さえ増えたら、全ての悩みは解決すると信じている。
しかし、タマも小春じいも、それはないと思っている。
タマ「ポチはゴジちゃんの毛生え薬を使っているらしい」
小春じい「ほほう。もし効いたら、すごいことだ」
タマ「でも、毛が増えたポチは、かなり気味が悪いぞ」
小春じい「たしかに気持ち悪いな」
ポチは毛が増えても増えなくても、悩みは消えそうにない。
「気にしない」銀塩写真をCGでコラージュ。本当は自分のことを気にしている。それは単なる建前だ。その証拠に我が家は「耳なし芳一」の全身の呪文のように、お札が張り巡らされている。
節分の魔除けの鰯の頭と柊。道教のお札。川越のお寺で頂いた魔除けのお札。
一度自然に剥がれたのを貼り直したが、また剥がれかけている。
それがどうであっても「信じるものは救われる」
だから、少々見栄えが悪くても、剥がしたりはしない。
YouTubeのおすすめに出た、古い本場のアルゼンチンと日本の現代のタンゴの動画を見た。共に、セピア調のクラシックなスタジオと伴演が良かった。
踊り手の服装はシックで、浮世離れした夢の世界であった。
ブエノスアイレスと日本のタンゴとは何となく違う。
本場は官能的だが、やや騒々しい。
しかし、日本のタンゴは品良く純粋培養され、本場とは異質に進化していた。ストラディバリでの La cumparsitaなど、珍品が聴けるのも日本ならではだ。
それは日本料理に変化してしまった洋食と酷似している。
トンカツ。たらこスパゲッティ。カレーライス。
どれも世界水準に、元がどんなものだったのかわからないくらい純粋に美味しく進化している。
動画を見ながら、海の見える古い倉庫街の古いスタジオを思い浮かべた。
憂鬱げな男に絡む女性の官能的な美しい足。
情念を秘めた緊張感はとても魅力的だ。
浮世離れしたい時、ぜひお勧めする動画だ。
「時は静かに過ぎゆく」銀塩写真をCGでコラージュ。
幸せの原則に「守るべき家族がいる」がある。守るべきものがなくなると、人は目的を失い虚しさを覚える。
10年以上前から美大が女子大化していると嘆かれている。
原因は、男子生徒は卒業しても美術では収入が得られないからだ。昔は美術教師の道があり、生活を確保しながら創作に打ち込めた。
今は少子化の影響で殆ど教師の空きがない。
美術系でもデザイナーや工芸家は生活ができる。
しかし、デザイナーは3Kの厳しい職場だ。創造の厳しさではなく、クライアントのセンスのなさとの戦いに疲弊してしまう。
バブル期に一瞬だけ、デザイナーやクリエィティブディレクターに自由な雰囲気が生まれた。しかし、その後の経済長期低迷で、クライアントが小煩く口出しするようになった。
美大出の女性は男性に人気がある。
今、活躍している女性アーティストの美人率が高いのは、その辺りに遠因がある。結婚して裕福なスポンサーを手に入れ、自由な環境で制作に励み実力を発揮する。
ゆとりのある夫は才能のある妻を家庭に縛り付けたりはしない。以前、知人のモダンアート作家は、誕生祝いに夫からアトリエ用のマンションをプレゼントしてもらった。
その女性美大生たちは、作家活動に極めて真摯で自立している。だから、私は憂えていない。
江戸期に世界の美術史を変えるほどの大作家が輩出したのは、優れた美意識を持つ庶民や裕福な資産家が作家たちを支えたからだ。
優れた作家は放っておいても自然に生まれて育つ。
敢えて育てる必要はない。一流の作家なら戦う強靭さがある。良い環境を作って肥育しても、ひ弱な作家しか生まれない。
Amazon primeで「ローマ帝国の滅亡」64年米国・主演ソフィア・ローレン。「グラディエーター」2000年米国・主演ラッセル・クロウ、を連続して観た。前者のセットは作り物だが、実に壮大で、今作ることは不可能だろう。
後者はCGによるセットを多用している。
両者とも先皇帝は思慮深い名君で、後継者は愚かで残忍。
娘は共に美しく優秀。
そして、武勇の誉高い将軍と恋している。
戦いのシーンは激変していた。
「ローマ帝国の滅亡」は華やかな演武の時代で、踊りのようでなかなか決着はつかない。正直に言うと退屈な戦いなので大抵は飛ばして観ている。
対して「グラディエーター」の闘いは激しくリアルだった。
それには黒沢映画の影響が大きいのだろう。
黒沢は映画に闘いのリアリズムを持ち込んだ。
彼の映像は後年の映画作家たちに大きな影響を残している。
「グラディエーター」は黄泉のシーンがとても美しい。
戦いに疲れた男が妻子の待つ黄泉の国へ行くシーンが美しく幻想的で、とても惹かれた。
「ローマ帝国の滅亡」のソフィア・ローレンは定評のある美しさだ。
対して「クラディエーター」のデンマーク出身のコニー・ニールセンがとても気品があって美しい。
「クラディエーター」は欧米映画なのに、常に無常感を漂わせていたのが映画に深みを生み出していた。これは剣闘士映画の傑作だ。だからか、定期的に幾度も観ている。
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